30年前の車両と最新車両の共通項
列車の窓に、最先端の技術が隠されているって知っていましたか?北陸新幹線や「TRAIN SUITE 四季島」をはじめ、国内外の多くの鉄道車両にガラスを供給しているAGC旭硝子オートモーティブカンパニーの大東英幸さん(アジア事業本部グループリーダー)は「鉄道車両の窓ガラスには、いくつかの重要な役割がある」と言います。
窓が紫外線・暑さまで防いでくれる!?
鉄道車両に求められる一番の機能は、乗客の安全です。窓ガラスについても同様で、万が一バラスト(線路に敷かれた砂利)などが飛来して割れたとしても、そのカケラで怪我をしないことが求められるのです。
「鉄道車両の窓ガラスは、強度が一般的なガラスの3〜5倍ある『強化ガラス』が使用されてきました。最近では、より安全性を高めるために、見た目は1枚ガラスですが、2枚のガラスにフィルムを挟んで圧縮加工した『合わせガラス』が使われることも増えてきました。フィルムがあるために破損時にもガラスが脱落して窓に穴が開くことがなく、破片もほとんど飛び散りません。
最新の首都圏の通勤車両の側窓(がわまど)では、強化ガラス2枚の間に特殊フィルムを挟んだ合わせガラスで、より強度と安全性を高めています」(大東さん)
「鉄道車両の窓ガラスは、強度が一般的なガラスの3〜5倍ある『強化ガラス』が使用されてきました。最近では、より安全性を高めるために、見た目は1枚ガラスですが、2枚のガラスにフィルムを挟んで圧縮加工した『合わせガラス』が使われることも増えてきました。フィルムがあるために破損時にもガラスが脱落して窓に穴が開くことがなく、破片もほとんど飛び散りません。
最新の首都圏の通勤車両の側窓(がわまど)では、強化ガラス2枚の間に特殊フィルムを挟んだ合わせガラスで、より強度と安全性を高めています」(大東さん)
合わせガラスには、嬉しい機能もあります。
「近年の鉄道車両では、ガラスそのものにも紫外線・赤外線を吸収するために金属を加え、紫外線・赤外線をカットしています。薄いグリーンやグレーの窓ガラスですね。さらに合わせガラスの中間フィルムに紫外線・赤外線吸収効果のある材料を混ぜ合わせることで、効果が大幅にUPします。
合わせガラスを使った車両の窓ガラスでは紫外線の99%がカットされています。また、赤外線も大幅にカットするため、直射日光が当たっても暑さを感じにくいのです」(大東さん)
山手線に限らず、近年はカーテンやブラインドがついていない車両が増えていますが、これは最新の窓ガラスが紫外線・赤外線をカットするからなのですね。
「近年の鉄道車両では、ガラスそのものにも紫外線・赤外線を吸収するために金属を加え、紫外線・赤外線をカットしています。薄いグリーンやグレーの窓ガラスですね。さらに合わせガラスの中間フィルムに紫外線・赤外線吸収効果のある材料を混ぜ合わせることで、効果が大幅にUPします。
合わせガラスを使った車両の窓ガラスでは紫外線の99%がカットされています。また、赤外線も大幅にカットするため、直射日光が当たっても暑さを感じにくいのです」(大東さん)
山手線に限らず、近年はカーテンやブラインドがついていない車両が増えていますが、これは最新の窓ガラスが紫外線・赤外線をカットするからなのですね。
また、最新の山手線車両など、ドアに「ペアガラス」が使われることが多くなってきました。
「ペアガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気層を挟みこんだものです。空気の層があることで、ダウンジャケットのように高い断熱効果を発揮します。最近の住宅ではよく使われていますし、見た目にもガラスが2重になっているので、わかりやすいのではないでしょうか」(大東さん)
なるほど、新しい鉄道車両の窓ガラスは、安全だけでなく車内の快適さまで守っていたのですね。
「ペアガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気層を挟みこんだものです。空気の層があることで、ダウンジャケットのように高い断熱効果を発揮します。最近の住宅ではよく使われていますし、見た目にもガラスが2重になっているので、わかりやすいのではないでしょうか」(大東さん)
なるほど、新しい鉄道車両の窓ガラスは、安全だけでなく車内の快適さまで守っていたのですね。