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今夏、猛暑ピークは今を含め2回 原因は“ダブル高気圧”

ウェザーニューズ「猛暑見解2018」

2018/07/18 12:19 ウェザーニュース

今年は例年より早く梅雨明けし、各地で連日厳しい猛暑が続いています。この後の暑さはどうなるのか、詳しく解説します。

■ 猛暑見解のポイント ■

・猛暑ピークは今と8月下旬以降の2回
・豪雨被災地も残暑厳しい夏に
・日本上空の“ダブル高気圧”が原因

全国的に平年より暑い夏、猛暑ピークは2回到来

7月下旬〜9月は、平年並の暑さと厳しい暑さを繰り返す見通しです。特に“猛暑”となるタイミングは、今(〜7月いっぱい)と8月下旬〜9月上旬の2回とみています。

先週より、日本列島の広範囲が夏の高気圧に覆われ、全国的に猛烈な暑さが続いています。この暑さは7月いっぱいまで続く予想で、西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の被災エリアでも、35℃以上の厳しい暑さとなります。ボランティア活動や復旧作業、避難生活では熱中症に厳重な警戒が必要です。

今後9月までの気温は、全国的に平年よりやや高い~高い傾向で、猛暑が続く予想です。特に、九州北部から東北北部では、高気圧にしっかり覆われるので、平年より気温が高くなる傾向です。沖縄県周辺は、台風や湿った空気の影響を受けて晴れる日の少ない時期があり、平年並の予想です。
〔リンク〕エリアごとの詳しい見解

この暑さの鍵を握るのは、太平洋高気圧とチベット高気圧です。

暑さの要因は“タブル高気圧”

今夏の気圧配置の特徴

太平洋高気圧:勢力の強まるエリアがやや北に偏りやすい

今年は太平洋高気圧の強まるタイミングが平年よりもやや早く、各地で夏の到来が早いのが特徴です。まだ梅雨明けしていない東北北部も、平年(7月28日)より早く梅雨明けする見込みです。

今夏は、7月下旬と8月下旬〜9月上旬にフィリピン近海で積乱雲が発生しやすい影響で、その北側に当たる日本付近では下降気流が発生し、太平洋高気圧の勢力を強めます。平年に比べると北への張り出しが強く、9月になっても太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強い状態が続くため、西・東日本の広範囲で残暑が厳しくなりそうです。

一方、8月上旬〜中旬は、太平洋高気圧の勢力が弱まり、暑さは少し収まる予想です。また、9月中旬以降は、少しずつ秋らしくなっていく見込みです。

チベット高気圧:日本付近への張り出しが強い

今夏は、太平洋高気圧が強まる同時期に、チベット高気圧も勢力を強めて日本付近を覆う見通しです。チベット高気圧とは、今のこの時期に、チベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高気圧です。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うので、チベット高気圧が日本付近まで張り出すと、上空で重なり合う“ダブル高気圧”となります。非常に背の高い一つの高気圧のようになり、ますます勢力が強まります。

今夏は、この2つの高気圧の張り出しが重なったタイミングが“猛暑”のピークとなる予想です。
〔リンク〕エリアごとの詳しい見解