総降水量1,000ミリを超える、稀に見る豪雨
6月28日から7月7日正午までの10日間の総降水量は高知県本山で年間降水量の6割に当たる1651.0mm。そのほか高知県、徳島県、岐阜県の11地点で1000mmを超過しました。雨量の記録で観測史上1位となった地点も多数あり、多発的な土砂災害や河川の氾濫につながっています。
▼メカニズムその1
梅雨前線がロックされてしまった
今回の大雨の引き金となったのが梅雨前線の停滞につながった、太平洋高気圧と上空の気圧の谷の位置関係です。
特に雨が激しかった5日~6日の気圧配置と見ると、太平洋高気圧が本州の南東海上で勢力を維持。
一方で台風7号が去ったあとは上空の気圧の谷が朝鮮半島から日本海に形成され、全体の気圧配置が変化しにくい状況になりました。
太平洋高気圧と気圧の谷にサンドイッチされる形で、雨をもたらす梅雨前線が北上も南下もできない、謂わば”ロック”された状態となってしまったのです。
特に雨が激しかった5日~6日の気圧配置と見ると、太平洋高気圧が本州の南東海上で勢力を維持。
一方で台風7号が去ったあとは上空の気圧の谷が朝鮮半島から日本海に形成され、全体の気圧配置が変化しにくい状況になりました。
太平洋高気圧と気圧の谷にサンドイッチされる形で、雨をもたらす梅雨前線が北上も南下もできない、謂わば”ロック”された状態となってしまったのです。
▼メカニズムその2
南から大量の湿った空気が供給され続けた
さらに上空1500m付近の風の状況を見ると、沖縄から西日本方面に風の強い領域があり、20m/s以上の南西風が継続。
沖縄周辺の非常に湿った空気が継続的に送り込まれ、激しい雨をもたらす雨雲の供給源となったといえます。
沖縄周辺の非常に湿った空気が継続的に送り込まれ、激しい雨をもたらす雨雲の供給源となったといえます。
2つの要因が重なり、梅雨前線の長時間活発化につながったおそれ
以上の2つのメカニズムが起因し、梅雨前線が本州上で長時間に渡り活発化。
発達した雨雲が陸地へ流れ込み続けたため、広範囲かつ長時間の大雨につながった可能性が高いです。
7日(土)になって太平洋高気圧がやや北に勢力を拡大し、一方で気圧の谷は東進。
拮抗状態が崩れてきました。8日(日)にかけて局地的な強い雨の降ることはあるものの、歴史的な大雨はようやく終わりが見えてきたと言えそうです。
発達した雨雲が陸地へ流れ込み続けたため、広範囲かつ長時間の大雨につながった可能性が高いです。
7日(土)になって太平洋高気圧がやや北に勢力を拡大し、一方で気圧の谷は東進。
拮抗状態が崩れてきました。8日(日)にかけて局地的な強い雨の降ることはあるものの、歴史的な大雨はようやく終わりが見えてきたと言えそうです。