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傘が凶器になる瞬間! 訴えられたケースも?

2018/07/11 10:20 ウェザーニュース

雨の日は危険が潜んでいます。大きな事故が起きない限り顕在化しませんが、その一歩手前の「ヒヤリ・ハット」を経験した人は少なくありません。東京都は2015年1月、都内在住の15歳以上の男女3000人にアンケート調査を行い、雨の日のヒヤリ・ハット体験を聞きました。その結果は……。

その傘が人を傷つけるかもしれない

雨の日は誰もが傘を使いますが、その傘でヒヤリ・ハットや危害経験があるのは回答者3000人のうち1657人(55.2%)にのぼりました。一番多かったのは、傘で視界が悪くなり、自動車・自転車・人にぶつかったり、ぶつかりそうになったというケースです。

具体的な事例を見ます。

「小雨時、道を歩いていたら反対側からスマホを操作しながら歩いて来る人がいて、傘の骨が私の顔に当たって頬が切れた」(19歳・女性)

「細い道ですれ違いざま相手が傾けた傘がメガネにあたり、ずれてしまった。メガネがなかったら目に当たったかもしれない」(48歳・男性)

生命の危険を招くことも

「真正面から雨が降ってきたので前が見えない傘のさし方をしていたら、横から自動車が来ていたのに気づかず、傘が車と接触した」(57歳・女性)

「風が強い大雨の日に、ビニール傘をさしながら道を歩いていたら、突然の強風にあおられて傘が折れ、その破片で指をケガした」(18歳・女性)

「風の強い日で雨も強く降っていた。歩道に壊れた傘が捨ててあり、強風に煽られて自分の方に飛んできた。なんとか体をかわしてぶつかるのを避けた」(65歳・男性)

恐怖の「傘の水平持ち」

降雨時以外(たたんだ状態)でも扱い方次第で傘は危険なものになります。その典型が「傘の水平持ち」です。

「駅の階段で、傘の水平持ちをしている人の後ろにいたら胸をつかれた」(33歳・男性)

「傘を水平に持っている人がいて、首を突かれたので文句を言ったが、『だから何?』と言われたので警察に被害届を出した。謝ってきたが、被害届けは取り下げなかった」(34歳・男性)

「たたんだ傘を水平持ちしている人がいて、突かれそうになったので、持っていた傘で叩き落とした」(52歳・女性)

「傘の水平持ち」の被害者はその恐怖を忘れませんが、加害者はあまりにも無自覚なようです。雨の日に誰もがさす傘ですが、不注意で凶器になることを忘れないようにしましょう。