幻想的にライトアップされたアジサイを「夜のあじさい号」で

首都圏のアジサイの名勝路線といえば、まずは箱根登山鉄道ですね。登山鉄道の電車は標高96mの箱根湯本駅から標高541mの強羅駅まで急な山を登っていきますが、アジサイの見ごろも少しずつ「上って」いきます。

例年なら、箱根湯本で6月中旬頃から咲きはじめ、強羅付近では7月中旬頃が見ごろに。

花の季節には夜間ライトアップが行われ、闇に浮かぶ幻想的なアジサイを鑑賞できます。2018年は、６月14日〜7月7日がライトアップ期間。6月15日〜7月2日に運転される「夜のあじさい号」は予約が必要です。

【アクセス】起点の箱根湯本駅までは、新宿駅から小田急ロマンスカーで１時間30分前後

古都鎌倉でアジサイの名所めぐり

鎌倉には、「あじさい寺」として名高い明月院、「花の寺」の東慶寺、「あじさいの回廊」がある北鎌倉古民家ミュージアムなど、アジサイの名所がたくさんあります。

江ノ電の車窓からも、あちらこちらでアジサイを目にすることができます。中でも名所とされているのは、極楽寺駅と長谷駅の間です。長谷駅が最寄り駅の長谷寺では、約40品種、2500株を超えるアジサイが花開きます。

江ノ電が境内を走り抜ける御霊神社や、極楽寺の駅周辺も見逃すことができません。電車を降りて、ゆっくりアジサイ散歩をするのもおすすめです。

【アクセス】鎌倉駅までは、東京駅から横須賀線で約1時間15分。藤沢駅までは東京駅から東海道線で50分

16回目を迎える「沢入駅あじさい祭り」

「わ鐵」の愛称で知られるわたらせ渓谷鐵道は、その名のとおり、渡良瀬川上流の渓谷に沿って走っています。沿線は新緑や紅葉の名所で、6〜7月にはアジサイが彩ります。

沿線一番の名所は、草木湖を過ぎた先の沢入（そうり）駅周辺。2200株ものアジサイが列車を迎えてくれます。毎年7月には「沢入駅あじさい祭り」が催されます。2019年の開催日は7月13・14日の2日間で、模擬店やミニトレインの体験乗車など、さまざまなイベントが催されます。七夕デートにも良さそうですね。

【アクセス】浅草駅からわたらせ渓谷鐵道乗りかえ駅の相老駅まで、東武スカイツリーラインの特急「りょうもう」で約１時間50分。起点の桐生駅までは、東京駅から上越新幹線高崎駅で両毛線に乗りかえ、または東北新幹線小山駅で両毛線に乗りかえて、ともに約2時間

アジサイの車窓は、国吉駅や久我原駅で

早春のツバキやスイセンに始まり、サクラ、菜の花、ヤマユリ、ススキ、曼珠沙華、紅葉と、いすみ鉄道沿線には四季折々の花がつぎつぎに咲き誇り、里山の季節の移り変わりを教えてくれます。

梅雨、そして初夏の到来を告げるアジサイも、いすみ鉄道の車窓の大きな楽しみのひとつです。アジサイ鑑賞のポイントはほぼ全線にわたっていますが、中でも株数が多いのは、ムーミンショップがある国吉駅付近と、久我原駅周辺です。

アジサイの数はこの2駅ほど多くはありませんが、小さくてかわいい無人駅の西畑駅周辺も、なかなか絵になるポイントです。

【アクセス】起点の大原駅まで、東京駅から京葉線の特急「わかしお」で約1時間15分

SL列車でアジサイと茶畑を見る

大井川鐵道の初夏の車窓の楽しみといえば、アジサイと茶畑です。大井川鐵道沿線のアジサイの名所は、川根温泉笹間渡駅、地名（じな）駅付近や、田野口駅から先の通称「紫陽花街道」周辺。その中でも崎平駅周辺は人気です。地名駅、田野口駅、崎平駅の前後では、車窓を過ぎるアジサイと茶畑と大井川のコラボも楽しみです。

大井川鐵道ではSL列車が有名ですが、中でも子どもたちを中心に絶大な人気を誇っているのがきかんしゃトーマス号です。今年もアジサイの季節の6月22日から、きかんしゃトーマス号と、きかんしゃジェームス号が運転されます。大人も子どもも楽しめます。
※きかんしゃトーマス号、きかんしゃジェームス号は要予約

【アクセス】東京駅から大井川鐵道乗りかえ駅の金谷駅まで、東海道新幹線と東海道本線で約2時間（静岡駅または掛川駅で乗りかえ）


そのほか各地で、アジサイ関連のイベントが行われます。いろいろ組み合わせて、アジサイの季節を満喫したいですね。