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【蚊の季節】蚊が媒介する怖い感染症とは?

2018/05/28 13:46 ウェザーニュース

蚊が飛び回る季節になりました。刺されると痒くてたまりませんが、怖いのは感染症です。かつては蚊が媒介する日本脳炎が恐れられていました。今は海外から持ち込まれるデング熱などの「輸入感染症」が蚊によって国内に広まることが懸念されています。

69年ぶりの国内流行

2014年8月、埼玉県でデング熱に国内感染したとみられる患者が発見されました。69年ぶりのことでした。感染地は東京・代々木公園と推定されました。デングウイルスを保有する蚊(日本ではヒトスジシマカ)に刺されると、3〜14日の潜伏期間を経て、40℃前後の発熱、全身の痛み、頭痛、発疹が現れます。

海外でデング熱に感染した人が日本に入国(帰国)し、その人を刺してウイルスを保有した蚊に刺された人が感染したのです。10月までに東京を中心に160人が感染。東京都が都内各地で蚊を採取して調べたところ、代々木公園、上野公園、新宿中央公園などでウイルス保有蚊が確認されました。

日本脳炎の国内感染は今も

1960年代には毎年1000人前後の患者が発生していた日本脳炎。ワクチン接種で激減しましたが、今でも毎年数人〜10人前後が感染しています。感染源はブタで、日本脳炎ウイルスを持つブタから吸血した蚊(コガタアカイエカ)に刺されて感染します。しかし、感染者の発症率は100〜1000人に1人と推定されています。
発症する場合は、感染から6〜16日の潜伏期間を経て、高熱を発し、痙攣(けいれん)、意識障害におちいり、死亡率30%、半数以上は脳に障害を受けてマヒなどの後遺症が残ります。

厚生労働省は毎年、ブタの抗体獲得状況を調査していますが、「日本脳炎ウイルスを持った蚊は毎年発生していて、引き続き国内でも感染の可能性がある」としています。

国内感染例がなくても要注意

チクングニア熱、ジカ熱、ウェストナイル熱、マラリアは国内感染例がありませんが、2014年のデング熱のように、「輸入症例」から蚊を媒介して国内感染が広がる可能性があります。外国人観光客も日本人渡航者も年々増える中、輸入感染症を蚊が広めるリスクが高まっています。

蚊による感染症を防ぐには蚊に刺されないことが一番。屋内では「蚊とり線香」や「蚊やり器」、屋外では「虫よけ剤」などで、蚊による感染症対策をしましょう。
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