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継続しているラニーニャ現象 この春には終息する見込み

2018/05/11 15:47 ウェザーニュース

本日11日、気象庁からエルニーニョ/ラニーニャ現象の実況と今後の見通しが発表されました。
それによると、現在続いているとみられるラニーニャ現象は、この春の間に終息し、夏には平常の状態である可能性が高いとのことです。

4月はラニーニャ現象が継続

2018年4月の海面水温図(上)及び平年偏差図(下) 気象庁HPより
4月のエルニーニョ監視海域(ペルー沖)の海面水温は、基準値より低い値が続いています。
一方、太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低い状態。
海洋表層の水温は西部から中部で平年より高く、東部で平年より低い状態。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より 強くなりました。このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴を示しており、ラニーニャ現象が続いているとみられます。

この春には終息 夏には平常な状態へ

太平洋赤道域の海洋表層では、西部から中部にかけての暖水の東進し、この暖水が今後東部に達すれば海面水温の平年より低い傾向を解消すると考えられます。
エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が今後基準値に近づき、夏から秋にかけて概ね基準値に近い値で推移すると予測。以上のことから、今後春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く、夏は平常の状態である可能性 が高いと見られます。

エルニーニョ/ラニーニャ現象のメカニズム

エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない「中立」の状態の時、海洋はこのようになっています。
この東風(貿易風)が強まったり弱まったりすることで海洋の状態が変化し、「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」が発生します。
【エルニーニョ現象 発生時の特徴】
・東風が平常時よりも弱い
・暖かい海水が東へ広がっている
・東部では冷たい水の湧き上りが弱まり、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなる
・エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生するエリアが平常時より東へ移る
【ラニーニャ現象 発生時の特徴】
・東風が平常時より強い
・西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強い
・太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低い
・インドネシア近海の海上では対流活動が活発で積乱雲が盛んに発生

参考資料など

気象庁HPより
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