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「五月病」対策は、GWの過ごし方にあり!

2018/04/27 07:03 ウェザーニュース

立夏(5/5)を迎えると、いよいよ夏がスタートです。夏は、東洋医学では成長・繁茂の季節。夏が始まるこの時季、心も体も活動的になっていく……はずなのですが、中には体に不調を感じたり、気分が塞いでるという人も。いわゆる「五月病」です。

源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生によると、五月病になる・ならないは、「ゴールデンウィーク」の過ごし方が肝になるのだとか。2018年のゴールデンウィークはどう過ごせば良いのか、そのポイントを伺ってきました。

夏への準備不足が、五月病の原因に

東洋医学では、私たちの体は、常に次の季節に向けての体づくりをしていると考えます。そのため、前の季節に体や心を傷めるような過ごし方をしてしまえば、そのマイナス影響は次の季節に出やすくなります。

五月病の主な原因も、まさにそれです。「春」の無理が夏を迎えるこの時期に心身の不調となって出てきてしまうのです。

東洋医学では、春は五臓の肝(肝臓)が活発になるとされています。その分、労わってあげる必要があるのですが、春はお花見や歓迎会などお酒を飲む機会が多かったり、花粉症で薬を常用せざるを得なかったりと、何かと肝臓に負担がかかりやすい時季でもあります(お酒も薬も主に肝臓で処理されるので)。
 
また春は、「木」の性質を持つとされ、新芽の伸びやかな成長を促すように伸び伸びと過ごすのがいいとされています。ところが、4月に新生活スタートという人も多く、慣れない環境にストレスもたまりがちです。

こうしたことが重なれば当然、次の夏に向けてのエネルギーも育ちづらくなります。その結果、夏の準備が整っていないまま、立夏を迎えることになります。

夏の気配が一段と強まり「さあ、活動しよう」と思っても、体も心もエネルギー不足で思うように動いてくれない……。この状態が五月病です。

「肝」を労わる生活とは?

ここで挽回しないと、そのままズルズルと不調が続いてしまいかねません。その挽回のチャンスこそが、ゴールデンウィークです。

ゴールデンウィークの過ごし方が、五月病を予防し、体を夏モードに変えていく上で非常に重要になります。ポイントは、春に酷使した「肝」を労わってあげることです。肝が元気を回復することで体のバランスが整い、夏に向けて態勢を立て直すことができます。

具体的には、次の方法がオススメです。
アルコールや甘いものは、肝に負担をかけますので、飲みすぎ食べすぎが気になる人は、ゴールデンウィーク中だけでも「控え目」を意識しましょう。

規則的な生活や、日中に日光を浴びることは、体内時計を整えることにつながります。それによって、体は本来の季節に追いつきやすくなります。

また、肝は筋(“すじ”と読み、腱のことを指します)とも密接につながっているので、ストレッチで腱や筋肉を伸ばすことで肝の緊張をほぐしてあげられます。

そのほか、この時期に汗をかいて汗腺を開きやすくすることは、夏の暑さ対策として重要で、真夏の熱中症予防にもなります。

体を休ませるつもりの「ダラダラ生活」は逆効果に!

一方、ゴールデンウィークの過ごし方として避けたいのが、ダラダラと過ごしてしまうこと。たとえば休日だからと、遅くまで寝ていたり、1日中家の中でテレビやインターネット、ゲーム漬けになっていたり……。これでは体内時計が修復されず、不調から抜け出せません。

体を休ませることは大切ですが、それも過ぎれば体にはかえってマイナスです。ゴールデンウィークのキーワードは、「休む」ではなく、「リセット」。何かとせわしい時季に乱れてしまった自分本来のリズムを、この長めのお休みを使って整えていきましょう。

参考資料など

取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏
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