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同じ青空でも違う!4千枚の写真分析から見えた春特有の青色

2018/04/19 15:26 ウェザーニュース

春霞という言葉があるように、春は晴れていてもボンヤリ。一方、冬に晴れると、特に太平洋側ではスカッと澄んだ青空に感じますよね。
実際にはどのくらい違いがあるのでしょうか。ウェザーニュースでは、冬(2018年1月27日)と春(同年4月10日)に会員の皆さんから届いた写真およそ4,500枚を分析してみました。

太平洋側ほど違いあり?

左:冬(2018年1月27日) 右:春(2018年4月10日)

日本列島全体を見てみると…。太平洋側ほど違いがありそうですが、あまりハッキリは差が分かりませんね^^;

関東の空には違いあり!

左:冬(2018年1月27日) 右:春(2018年4月10日)

冬にスカッと晴れる事が多い関東周辺に注目してみましょう。
お!差が分かりやすくなったような。やはり春の方がボンヤリとした青空になっていますね。

青色の鮮やかさの違いが歴然

冬(2018年1月27日) 春(2018年4月10日)

最後は、1/27と4/10のほぼ同じ時刻、同じ東京23区内から見上げた空の様子を比較。(ちなみに、二日間とも同じ方の撮影・投稿です)
すると、一目瞭然!冬の方が濃く鮮やかな青空、一方で春はボンヤリとした青空になっているのが分かります。

この空の写真の色の鮮やかさを比較してみると、冬は彩度65%で春は彩度47%と、春の方が冬より彩度が18ポイント低かった事が判明。人の感覚だけでなく、数値からも冬の方が鮮やかな青空で、春の方がボンヤリとした青空である事が言えました。

ここまで違いが出る原因は何なのでしょうか。

春はなぜボンヤリする?

空気の蓋がチリやホコリ、水蒸気を閉じ込める

春は、冬に比べて高気圧に覆われる事が多くなります。

高気圧に覆われると上空から地上に向けて下降気流が発生(これは、地上で体感できる風ではありません)。この下降気流があるおかげで雲が発生・発達せず、晴れるのですが、下降気流がしっかりすればするほど、大気中に“逆転層”というものが発生します。

この逆転層は空気の蓋(ふた)と呼ばれており、まさに地上を覆う蓋の役目をします。そのため、地上付近にあるチリやホコリ、水滴は上空高くにまで舞い上がることは出来ず、地上付近に漂います。
また、高気圧に覆われていて風が弱いことも、チリやホコリが地上付近に貯まってしまう要因になります。
その結果、太陽の光が色々と散乱されてしまい、空が霞んで見えるのです。春は、冬のようにスカッときれいな青空はあまり望めません。

黄砂も霞みの原因

春は黄砂もやって来ます。高気圧の前にやって来た低気圧が、中国の砂漠で砂を巻き上げ、それが風に乗って日本にやって来るためです。そのため、発達した低気圧が通過した後は、黄砂による空の霞みも良く起こる時期になります。

空は、同じようで、日々色や様子が変化しているんですね。現代人は忙しく、なかなか空を見上げる時間がないかもしれませんが、たまには立ち止まって空を見上げてみてはいかがでしょうか。
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