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糠漬けの美味しさは気温で決まる!?

2018/04/24 10:52 ウェザーニュース

いま注目されている発酵食品の中でも定番の人気がある糠漬け。糠床に常在する乳酸菌の働きにより野菜に旨味が入り、生とは違った深みのある美味しさが味わえます。乳酸菌は気象と密接に関係している微生物ですが、その深い関係を管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。

糠床の乳酸菌の働きと気候風土

「糠床に住んでいる乳酸菌が好きな温度は20~25℃です。この温度帯で最もよく活動して発酵し、糠漬けが美味しくなります。そのため、糠床を作って糠漬けに挑戦しようと思ったら、暖かくなるこれからの時期がベストです。私たちの間では、人が快適に感じる温度で発酵させると、糠漬けも味噌も美味しくなるといわれています」(柴田先生)
糠床の温度は20〜25℃がベスト
では、これから夏に向かって温度が30℃以上に上がると、糠床や糠漬けはどうなってしまうのでしょうか。

「温度が30℃以上に上がると、糠床は異常発酵することがあります。漬けたものは早く漬かりますが、発酵が進みすぎると酸っぱくなってしまいます。こうなったら冷蔵庫に入れて乳酸菌を休ませるようにした方が良いでしょう。逆に温度が20℃を切る秋から冬は、乳酸菌の活動が不活発になるので発酵が進みにくくなります。

今の時期だと、キュウリやナスなら約半日、ニンジンなど固いものは約1日で漬かります。これが気温が低い時期になると、キュウリやナスなら丸1日、ニンジンは2日はかかります。今は適温期なので、早く美味しく漬かるんです」(柴田先生)

温度変化に影響を受けると聞くと、乳酸菌も生き物だということが再認識できますね。

漬け物は生活習慣病の予防食

日本の発酵学の第一人者小泉武夫先生に漬け物の効果について聞いてみました。

「漬け物という発酵食品が成人病の予防食であるということは、是非知っておいて欲しいと思います。各種研究機関の臨床実験などによって、漬け物には中性脂肪やコレステロールの増加といった老化現象を抑制し、動脈硬化、がん、心臓病、糖尿病などの進行を予防する働きがあるということが、現在では定説になっているのです」

生活習慣病の予防食にもなる糠漬けなどの漬け物は、毎日摂るようにしたいものですね。
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