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【花粉症】いま注目の「舌下免疫療法」は5月下旬から開始!

2018/04/18 13:51 ウェザーニュース

スギ花粉症を完治できるという「舌下(ぜっか)免疫療法」を知っていますか? 2014年10月に「舌の下にスギ花粉のエキスをたらす」という免疫療法治療薬が発売され、注目されています。花粉の飛散が終わる5月下旬に始めることができます。

翌シーズンには8割が改善

「私のクリニックでの経験では、舌下免疫療法は10人のうち8人は翌シーズンに症状が改善しますが、1人は効果がなく、1人は薬が体質に合わずに治療に入れないという割合です」と語るのは、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の久手堅司院長です。

以前、花粉症を完治させるにはスギ花粉のエキスを定期的に注射する「皮下注射免疫療法」しかありませんでしたが、4年前にスギ花粉のエキスを舌の下にたらす「舌下免疫療法」が登場して注目されています。

5月下旬から治療を始められる

「舌下免疫療法」は、スギ花粉を体内に取り入れることで免疫をつけ、花粉症を完治させる治療法です。1日1回、舌の下に花粉エキスをたらし、2分間保持した後に飲み込みます。最初の2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を服用することになります。
「治療を始めるのは、花粉が飛ばなくなる5月下旬以降になります。花粉シーズンに治療を開始すると、症状が悪化する恐れがあるからです」(久手堅院長)

花粉が飛び始める直前に治療を開始するのも症状を悪化させる恐れがあるため、治療を始めるのは5月下旬〜12月の間ということになります。

検査のうえ少量の薬で始める

治療の手順はどうなっているのでしょうか。「まず、スギ花粉症かどうかを調べるために採血します。スギ花粉症であれば後日来院いただき、少量の薬液(スギ花粉エキス)を服用してもらいます。その際、30分ほど様子を見て、口の中や唇が腫れる、のどが痒くなる、下痢、おう吐、腹痛などの副作用が出ないかを確認します。副作用が強ければ、治療を断念してもらうことになりますが、副作用がなければ自宅で毎日、薬を服用してもらいます」(久手堅院長)

健康保険が適用され、負担は月2000円ほど

「舌下免疫療法」は健康保険が適用されます。自己負担は、最初の検査代が5000円前後、初診料が1050円、2回目以降は再診料と1ヵ月の薬代で2000円ほど。

製薬会社は3年続けてくださいと言っていますが、当院では翌シーズンには8割の人の症状が軽減しています。3年続けた結果、症状が出なくなれば薬をやめても良いとされていますが、ケースによりけりです。完治とみなして治療終了になる場合もあります」(久手堅院長)

6月頃には鳥居薬品からは、「シダキュア」という新しい舌下免疫療法の錠剤が発売される予定です。保存が簡単になることと、含まれている濃度が強くなります。

なお、「舌下免疫療法」を行っている医療機関は、治療薬「シダトレン」を製造している「鳥居薬品」のホームページに掲載されています。
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