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<熊本地震から2年>日本列島にある2000の活断層

2019/04/13 22:58 ウェザーニュース

地震は大きく分けて「海溝型地震」と「活断層型地震」があります。2年前の熊本地震は「活断層型地震」で、地震のエネルギーは比較的小さくても、震源が深さ10km前後と浅かったため、局所的に大きな被害をもたらしました。あなたは自宅周辺の活断層の位置を知っていますか?

日本列島には2000の活断層がある

J-SHISに表示される日本列島の主要活断層帯
2016年の熊本地震で最大震度7を記録した2回の地震の震源は、日奈久(ひなぐ)断層帯と布田川(ふたがわ)断層帯の一部と考えられています。ともに熊本市付近を北東から南西に走っている断層帯です。

1995年の阪神・淡路大震災を引き起こしたのは、淡路島から神戸市にかけ伸びている六甲・淡路島断層帯の一部でした。これら断層帯は、過去に発生した地震の痕跡と考えられています。何千年〜何万年ぶりに断層帯がずれ動いて再び大地震が発生したのです。

日本周辺には約2000の断層があるとされていますが、近くにいくつかの断層があると、まとめて断層帯と呼んでいます。政府の地震調査研究推進本部は、活動度などを考慮して114の断層帯を選定し、調査と評価を行ってきました。

発生周期が長い活断層型地震

2011年の東日本大震災のようにプレートの境界域で起こる海溝型地震は、およそ100〜200年周期で発生することがわかっています。プレートが1年に数cmずつ動いているため、100〜200年かけてひずみが限界に達すると地震が発生するのです。

活断層型地震も断層をはさんだ2つの地殻がずれて限界に達したときに地震が発生するのですが、「ずれ」の速度が1000年に数十cmと非常に遅いのです。そのため発生周期が数千〜数万年と非常に長く、予想も難しくなります。

断層がどのようにずれるかは、断層にかかる力の向きによって違います。引く力が働けば「正断層」、押す力なら「逆断層」、水平方向に逆の力が働けば「横ずれ断層」、上下の地層がずれる「衝上断層」などがあります。

自宅周辺の断層を調べる

2017年2月、文部科学省と気象庁は普及啓発資料『活断層の地震に備える』を作成しました。全国版と地方版があり、8つの地方版にはそれぞれの地域の主な活断層を地図上に示しています。
J-SHISに表示される主要活断層帯(関東周辺)
「2016年の熊本地震を受けて作成しました。地震への備えが進むよう、自治体の防災担当者や学校関係者に広くお知らせし、地域や学校の防災教育にも活用していただいています」(文部科学省防災研究課)

断層帯ごとに「Sランク」(高い、30年以内の地震発生確率が3%以上)、「Aランク」(やや高い、30年以内の地震発生確率が0.1〜3%)といった長期評価もあります。活断層型地震の場合、30年以内の地震発生確率3%以上は高い確率ということになります。

ネットでも閲覧できるので、自宅に近い活断層を調べることができます。

もっと詳しく調べるならJ-SHIS

「J-SHIS」(地震ハザードステーション)では、地図上で自宅周辺の活断層の位置や地震の強さ、揺れやすさなども知ることができます。これは防災科学技術研究所が開設しているサイトで、PC版とスマホ版があります(地図は拡大できる)。

地図上の断層帯をクリックあるいはタッチすると、その断層帯の「活動モデル」が表示されます。たとえば、東京都西部から埼玉県にかけて走っている「立川断層帯」は、M6.8、平均発生間隔1万2500年、最新活動時期1万6500年前、30年発生確率1.35%、50年発生確率2.24%と記載されています。

そしてM6.8の地震が発生した場合、どのエリアがどの程度の震度で揺れるのかも地図上に表示されます。

また、ウェザーニュースでも「J-SHIS」の情報を元に、海溝型地震も含めて自分が今いる場所の「今後30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率」をスピード診断するサイトを開設しています。
>> 詳しい内容についてはこちら

揺れ方は違っても対策は同じ

活断層型地震は、震源が近いと「ドン」と下から突き上げるような縦揺れ、揺れている時間が短い、そして「緊急地震速報」が間に合わないことが多いという特徴があります。

揺れ方は違っても、地震対策は同じです。
●自分が住んでいる家の耐震基準を確認して基準に満たなかったら耐震補強する
●タンスや食器棚などが倒れないように固定する
●寝室には大きな家具を置かない
●水や食料などを備蓄する

いつ起こるかはわかりませんが、大地震は必ず起こります。避難場所を確認するなど、事前の備えをしておきましょう。