小湊鐵道(千葉県)
車窓一面を黄色に染め上げる、石神の菜の花畑
首都圏の鉄道沿線一の菜の花の名所といえば、小湊鐵道の「石神の菜の花畑」でしょう。線路の両側数百mにわたって菜の花畑が広がり、一面に黄色の絨毯を敷きつめたかのようです。
車窓から眺めても、下車して眺めても最高です。最寄り駅は、石神駅ではなく、養老渓谷駅なのでご注意ください。月崎駅や飯給(いたぶ)駅周辺にも美しい菜の花畑が広がっています。菜の花とは関係ありませんが、最近話題の地球磁場逆転地層「チバニアン」の最寄り駅は月崎駅です。
【アクセス】起点の五井駅まで、東京駅から総武線快速で約1時間
いすみ鉄道(千葉県)
里山を行く菜の花色のムーミン列車
いすみ鉄道の路線距離は28.5km。そのうちおよそ15kmもの沿線に菜の花が咲き、春は列車の全部を「菜の花列車」と呼びたくなるような車窓が広がります。2018年は、「下り方面(大原→上総中野)の大多喜〜小谷松駅間、東総元〜久我原駅間、総元駅付近の菜の花がきれいですよ。上り方面でしたら上総中川駅付近がおすすめです」(いすみ鉄道営業企画課・杉田さん)
いすみ鉄道では、菜の花色のムーミン列車も人気を呼んでいます。ムーミン列車に乗って、春を探しに出かけてみませんか。
【アクセス】起点の大原駅まで、東京駅から京葉線の特急「わかしお」で約1時間15分
秩父鉄道(埼玉県)
里から山へ、菜の花を追いかける旅を
秩父鉄道は、関東平野から荒川に沿って秩父の山里へ向かいます。平野部と山間では花の見頃も少しずつずれるので、路線を通してかなり長い期間、菜の花を楽しむことができます。4月なら、ひろせ野鳥の森〜大麻生〜明戸駅付近の車窓がおすすめです。
特に明戸駅近くの築堤は、堤の斜面一面に菜の花が咲き誇る沿線随一の名所です。黄色い菜の花と、真っ黒な蒸気機関車「SLパレオエクスプレス」の組み合わせは、迫力があります。秩父や三峰口方面なら、ゴールデン・ウィーク過ぎまで花を楽しむことができるでしょう。
【路線データ】秩父鉄道乗り換え駅の熊谷駅まで、東京駅から上越新幹線で約40分、新宿駅から湘南新宿ラインで約1時間10分
真岡鐵道(栃木県、茨城県)
SLと桜と菜の花街道
真岡鐵道の北真岡駅から「真岡りす村ふれあいの里」までの間には、およそ1kmにわたって桜並木と菜の花畑が続いています。この付近は、「SL・桜・菜の花街道」と名付けられている、真岡鐵道沿線随一の花の名所です。
絶好の撮影スポットなので、桜の時期には大勢の人が訪れ、菜の花畑に立ち入って写真を撮る人もいるようですが、マナーを守って花とSLの風景を楽しみたいですね。桜の花が散った後の葉桜と菜の花の組み合わせもさわやかで、絵になります。
【アクセス】起点の下館駅まで、東京駅から東北新幹線か宇都宮線の小山駅で水戸線に乗り換えて約1時間10〜40分
上信電鉄(群馬県)
電車と自転車で菜の花畑めぐり
新緑の野に、鮮やかな黄色の帯となって車窓を流れゆく菜の花畑。遠くに上毛三山の山並みが……。上信電鉄沿線には、唱歌「おぼろ月夜」の歌詞「菜の花畠(ばたけ)に入日(いりひ)薄れ」そのものの風景が広がっています。特に、根小屋駅付近、西山名〜吉井駅、上州新屋〜上州福島駅、上州七日市〜上州一ノ宮駅あたりが菜の花ウォッチングのポイントです。
吉井、上州福島、上州一ノ宮などの各駅には無料のレンタサイクルがあります。上信電鉄では車内に自転車を持ち込めるサイクルトレインも運行しているので、電車+自転車のお花畑めぐりもおすすめです。
【アクセス】起点の高崎駅まで、東京駅から上越新幹線で約50分、新宿駅から湘南新宿ラインで約1時間40分
桜の花や木々の緑は遠くからでも眺めることができますが、背丈が低い菜の花は、ある程度近寄らないと見えないこともあります。線路際の花を楽しむのなら、車窓から。広い菜の花畑なら、列車を降りても楽しめます。
どこも都内から気軽に楽しめる場所なので、電車、徒歩、自転車などをうまく組み合わせて、ぜひ週末のお出かけプランの参考にしてみてください。