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新生活における減災
~街の過去を知る~

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2018/04/06 09:09 ウェザーニュース

新しい街で生活を始める人も多い季節です。最初は街の名前を覚えるだけでも大変でしょう。

少し落ち着いたらその街の名前について調べてみてはいかがでしょうか。

自分の住んでいる地域は?

過去の災害が発生したところでは、それを街の名前として暗号のように残していることがあります。

例えば「蛇」や「龍」といった地名は過去に土砂災害や水害が発生した場所であったりします。

まずは今でもその名称が残っているところをチェックしてみてください。

今も大雨の時には注意が必要
(鬼怒川編)

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栃木県 2015年9月15日
鬼怒川と名付けられた由来には、諸説あります。その一つに、いつもは穏やかに流れている川だが、一旦荒れると鬼が怒ったように荒々しくなることから鬼怒川と付けられた、という説があります。

2015年9月に起こった鬼怒川決壊。台風の影響により、穏やかな川は一変、多くの人的被害や住宅被害を招く形となりました。

昔はよく水害に見舞われた土地
(蛇崩編)

現在、交差点の名前として残っている「蛇崩」ですが、その地名の由来には、「大蛇伝説」が挙げられています。

しかし他にも「蛇行していた川が、大雨時に水かさを増し、逆巻く激流となり、まるで蛇がのたうちまわる様に見えた」

「川岸の砂利や砂などが多く含まれた土壌がよく崩れたので砂崩川と呼ばれ、それが転じて蛇崩川になった」

などの説もあり、過去大きな水害に見舞われていたことがうかがえます。

地名に込められたメッセージ

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過去にウェザーニュース会員のみなさんから、災害にまつわる身近な地名を募集した所、以下の様なコメントも頂きました。

「ウエン」、「宇遠」や「雨煙」とも表記されることもあります。アイヌ語で「悪い」の意味で、「ウエン・ベツ(川)」などは土石流が発生しやすい沢である場合がありますよ。(ロビンソンさん 北海道)

落合と言う地名ですが、落合は、川の合流点を意味する地名だそうで河川の氾濫に警戒が必要だと言ったことが地名でも分かりました。(アイスティー@skyさん 秋田)


以上のように、名前の由来には、災害の危険性や被害の記憶など、先人からの強いメッセージが込められています。
自身が住んでいる土地の名前や特色を知ることは、災害対策にもつながるのではないでしょうか。

昔の地名を知る

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もう一点は昔の名前を調べてみることも大切です。社会が発達するにしたがって、街の様子も変化を続けています。
沼地を埋め立てたり、斜面を削り取ったりして宅地化されたところも多くあります。

そのような場所は新しく街の名前が付けられることが多いでしょう。新しい名前によって封印された災害の記憶が古い名前に隠されているかも知れません。

古い地図を使って調べることもできますし、古くからその街に住む人たちに聞いてみるのも良いでしょう。

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