facebook line twitter mail

【新燃岳噴火】東京ではわからない現地のいま

top

2018/03/18 08:14 ウェザーニュース

3月1日に噴火活動を始めた霧島山 新燃岳(鹿児島・宮崎)。6日には火口内に溶岩が確認され、10日には爆発的噴火で噴煙が火口から4500mの高さまで上がりました。火山噴火予知連絡会は13日、「当面は爆発的噴火活動が継続する」という見解を発表しました。

一方、火山ガスの放出や溶岩の噴出が低下したことから、15日には火口から4kmだった警戒範囲を3kmに縮小されました。はたして、噴火は続くのか、終息に向かうのか。周辺地域のいまをリポートします。

7年前 空振で窓ガラスが割れた

新燃岳から西に約6km、霧島市消防局北消防署の担当者によると「7年前の噴火では民家の窓ガラスが空振(爆発的噴火に伴う空気振動)で割れる被害が出ましたが、今回は今のところありません」

「降灰も3月1日にありましたが、その後は風向きが変わって降灰はありません。それでも、市民の方から自主避難すべきかどうか問い合わせがありました」

まだ避難の勧告や指示は出ていませんが、市民は噴火拡大に備えているようです。

降灰の影響を受ける宮崎県側

新燃岳の火山灰が流れた東側では影響が出ています。新燃岳の火口から約10kmの「たかはるゴルフクラブ」(宮崎県高原町)は、「芝生に灰が降るので、夜間は散水機を回しっぱなしにして洗い流しています。プレーに影響はないのですが、お客様は減っています」

高原町全域の様子は、高原町役場の総務課によると「火山ガスは健康に影響が出るほどではありませんが、皆さんマスクをしています。被害が大きいのは農家で、灰をかぶったシイタケやホウレンソウは出荷できなっています。被害額の集計はこれからです。火山噴火予知連が噴火は続くというので、2011年のときのように長期化するかもしれません。町役場としては、警戒本部を立ち上げて24時間体制をとっているところです」

box2

観光産業への影響は

観光産業への影響を霧島市観光協会に尋ねました。「霧島市は新燃岳の西側にあり、降灰の影響が少ないのです。まだ集計はしていませんが、ホテル側の話によると、思ったほどキャンセルはなかったそうです」

といっても、霧島市観光協会が主催し、3月17〜18日に開催を予定していた「第22回龍馬ハネムーンウォークin霧島」は、その日の風向きによって、降灰があるとして中止されました。坂本龍馬とお龍夫妻が日本で最初の新婚旅行に訪れたことにちなんで開催される2日間のイベントで、毎年4000人以上が参加しています。

噴火が拡大するのか終息するのか、地元の人は祈るような気持ちで新燃岳の動向を注視しています。
  • お天気トピックス
    もっと見る

  • 公式SNSアカウント