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女性の視点を活かした防災ブック、「東京くらし防災」を東京都が配布

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2018/03/12 18:12 ウェザーニュース

東京都は3月1日、いつもの暮らしのなかでできる防災対策をまとめた防災ブック、「東京くらし防災」の配布を開始しました。

女性の視点を活かした防災対策

「東京くらし防災」は、2015年に都内の各家庭に配布された「東京防災」の第2弾で、毎日の暮らしのなかで始められるちょっとした防災の工夫を満載した、いわゆる「防災のヒント集」です。

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イラストを活用して親しみやすい内容に(「東京くらし防災〜いますぐできる!15のこと」より)
最大の特徴は、女性の視点を活かした防災のアイデアをまとめたものであること。なぜ、女性の視点なのでしょうか。東京都総務局総合防災部防災管理調整担当課長の齋藤貴之さんに聞きました。

「過去の自然災害からわかってきたように、避難所での着替えや授乳、子どもへの関わりやトイレなど、様々な課題を改善するには、ハード面の整備ももちろん重要ですが、被災した方の目線に合わせたきめ細かな防災対策が大切です。

そこで、女性の発想・視点を活かし、暮らしの中でできる防災対策を冊子にまとめたのです」(齋藤さん)

すぐにできそうな防災の工夫がたくさん

手のひらサイズのB6版、164頁のこの冊子の中身は、(1)事前の備え、(2)発災時の行動、(3)被災後の生活の3つの章にわかれています。

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「東京くらし防災」に掲載されている食器の重ね方
事前の備えでは、備蓄の仕方のほかに、「揺れても崩れにくい食器の重ね方」「お風呂でできる防災」など、「今日からでもできそう!」といった日常の備えに役立つアイデアが、イラストと一緒に示されています。

その他には、乳幼児を連れた避難や避難所での授乳など、きめ細かな災害対策情報も。

「『小さなことが実は防災につながるのですよ』というような、工夫や気づきを紹介しています。この防災ブックをきっかけにして、多くの方に身近なところから1つでも防災への取り組みを始めていただきたいです」(齋藤さん)

被災後の生活には、避難所での妊産婦へのサポートや、子どもとの関わり・防犯などの項目があり、男性を含め、だれにも役立つ情報が盛り込まれています。さらに各ページには音声コードがつけられ、視覚に障害のある人への配慮もなされています。

都ホームページや電子ブックで閲覧できる

都は100万部を作成。「好評をいただいており、どこで入手できるのかという問い合わせも寄せられています」(齋藤さん)。都や市区町村の施設、郵便局、スーパーなど、都民の身近な場所、約9000ヵ所に設置した専用ラックに置かれているので、持ち帰ることができます。

「東京都防災ホームページ」からもPDFがダウンロードでき、一般の電子ブックサイトでも無料でダウンロードができます。また、3月1日にリリースした「東京都防災アプリ」でも内容を閲覧できます。

被災時のリーダー育成も

東京都は防災活動を担う女性の人材育成も進めています。

「地域や職場など様々な被災の場では、リーダーとなって行動を起せる人材が求められます。そういった場で女性にもっと活躍していただけるよう、女性防災人材育成の取り組みが進行中で、この『東京くらし防災』の作成と併せて、防災における女性参画の2本柱として推進しています」(齋藤さん)

さっそく今年度からセミナー等が開かれる予定で、来年度からは本格的な育成が始まるそうです。

女性の視点を盛り込んだ防災の仕組みが整備されことは心強いですが、もちろん防災活動でも男女共同参画が必須です。男性にとっても、いざという時に女性がどのような事で困り、どのような対策をとれば良いのかを考える機会にしたいですね。

参考資料など

PDFのダウンロードはこちら(http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1005427/1005746.html)

東京防災アプリ(http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1005744/index.html)
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