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火事が最も多いのは冬ではなく春だった!

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2018/03/08 07:22 ウェザーニュース

火事が多い季節は、乾燥する冬というイメージがあります。しかし意外にも、出火件数で比べると冬よりも春の方が火事は多いのです。

春こそ火事に注意

総務省消防庁が毎年発行している消防白書によれば、火事は年を追うごとに減ってきていますが、それでも全国で年間3万件以上起きています(平成27年度は約3万9000件、平成28年度は約3万6000件)。つまり、1日に100件、15分に1件程度のペースで出火していることになります。その中でも春は、冬を抑えて最も火事の多い季節なのです。

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乾燥注意報もチェックするべき

気象条件がある一定の基準に達した時点で、各市町村から「火災警報」が発表されます。基本的に湿度と風速によって判断されますが、細かい数値は市町村によって異なります。以下は東京都が火災警報を出す際の基準です。

(1) 実効湿度50%以下、最小湿度25%以下になる見込みの時。
(2) 平均風速13m/s以上の風が吹く見込みの時。
(3) 実効湿度が60%以下であって、最小湿度が30%以下となり、平均風速10m/s以上の風が吹く見込みの時。
※実効湿度とは、前日と当日の平均湿度を用いて計算され、木材の乾燥具合を表す

ここまで深刻ではない場合でも「実効湿度が50%以下かつ最小湿度が25%以下」(東京都〈離島を除く〉の場合)のときに発表されるものがあります。気象庁が発表する「乾燥注意報」です。

「乾燥注意報」と聞くと、なんとなく「肌のケアをしっかりしなくちゃ」と考えがちですが、これは実は火災の危険に対して注意を促すものだったのです。

具体的な対策は?

今年の春季火災予防運動の際に、「住宅防火 いのちを守る 7つのポイント」として、出火防止のために気をつけるべきことを示していました。

3つの習慣
・寝たばこは、絶対にやめる。
・ストーブは、燃えやすいものから離れた位置で使用する。
・ガスコンロなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。

4つの対策
・逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
・寝具、衣類及びカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する。
・火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器等を設置する。
・お年寄りや身体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制をつくる。

たばこ、ストーブ、コンロの3つは火事の原因で毎年トップに並んでいます。対策自体はとても簡単なものばかりなので、小さな用心をして大きな災いを起こさないよう、気をつけるようにしましょう。

また、3〜5月は林野火災の発生件数も多くなっています。登山や山仕事で山火事を出さないよう防火意識を持ちたいものです。
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