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ひなあられの味
関西の食文化が生んだ違いとは?

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2018/03/03 07:56 ウェザーニュース

3月3日の桃の節句、ひな祭りは女の子のすこやかな成長を祈る年中行事です。

でも子供の時に『ひなあられ』を食べた記憶があるのは男女関わらず、いらっしゃるのではないでしょうか。

この『ひなあられ』味が東西で違い、その訳が関西の食に対する意識が関係しているって知っていました?

>> ウェザーニュース記事一覧

関東は甘い。関西はミックス。

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2月27日−28日に実施した、ひなあられで連想する味調査(9,682人が参加)
ウェザーニューズ社では、2月27日、28日と味の全国調査を実施。これまでに食べた事のある「ひなあられ」の味が『甘い』『しょっぱい』『両方』『その他』の4つの選択肢から回答してもらいました。

調査に参加した約1万人の方のほとんどが『甘い』あるいは『両方』と回答。多い回答の方を色分けしてみると東と西で差が出ました。

関東など多くのエリアでは『甘い』が主流。
一方で関西や中国、九州では『両方』、つまり一袋のひなあられに『甘い』『しょっぱい』がミックスされている県が多い結果となりました。

関西で人気はチョコ味/マヨ味に二分!?

味が東西で異なることがわかった中、さらに関西のひなあられの中に人気の味があることがわかりました。
今回ご参加いただいた方からのコメントを見ると…

【チョコ味関連のコメントが約40件】

チョコレートの味は兄弟で取り合いでした。(大阪)

チョコレートでコーティングしているのを探してたべます。(大阪)

少ししか入っていないチョコがけが楽しみでした(兵庫)

【マヨ味関連のコメント約20件】

子供のころ、『マヨネーズ味』ばっかり探して先に食べてました。(兵庫)

マヨネーズ味が たまにあって 美味しかった(京都)

マヨネーズ味が印象深い(三重)

関西の欲張り食文化がミックスを生んだ?

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今回、「チョコ味」のひなあられを最初に世に出したという米菓メーカーの『とよす株式会社』の豊洲牧子さんにお話を伺いました。

関東のひなあられは、うるち米をそのままの形で膨らませてお砂糖で甘く味付け、食紅でピンクや緑にしたものが主流。
一方、関西のひなあられの原料はもち米で、直径1cmくらいのあられに、醤油や海老、青海苔、サラダ(マヨ味)などのいろいろな味が混ざったものを戦後1960年代から販売しているそうです。

一種類の味じゃ満足しない

↑この食に貪欲な関西人の嗜好に合わせて、味をミックスして売り出した所、当時からヒットしたため、現在までこの作り方を続けているそうです。

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ちなみに、チョコ味のひなあられは1965年頃(昭和40年頃)五色あられに、子供に喜んでもらうべく加えた事が始まりだそうです。

1960年代、まだチョコレートは特別な菓子であったため、当時の製造の担当者は、神戸のチョコレート会社に修行に行き、あられにチョコレートをコーティングする方法を学んだのだとか。

このあられは、関西を中心に全国の幼稚園に毎年配られてきたそうで、その時の記憶がみなさんに根付いているのかもしれませんね。

バレンタインやハロウィンなどに隠れてしまいがちな、『元祖イベントスイーツ』のひなあられ。

そのルーツを紐解いていくと、造り手の食べる人に対する想いが込められ、しっかりと食文化として根付いた事がわかりました。(久々に食べてみようかな…)

>> この先の天候 長期見解
>> 花粉情報

参考資料など

とよす株式会社ホームページ
http://www.toyosu.co.jp/hinaarare/index.html
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