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春を気持ちよく過ごすために! 今やるべき3つのポイント

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2018/03/07 09:24 ウェザーニュース

3月の声を聞き、道を歩いていても、空気に「春」を感じることが少しずつ増えてきたのではないでしょうか。とはいえ、本格的な春の到来はもう少し先。ちょっとした油断で体調を崩しやすい時期でもあります。

虫たちを目覚めさせる「虫出しの雷」

東洋医学での健康法において、大切にされていることの1つが、「次の季節に向かって、体をつくっていくこと」です。

たとえば、3月初旬の時期であれば、冬から春へと体のスイッチをスムーズに切り替え、徐々に体を春モードにしていく。これがこれから到来する春を元気に過ごすコツになります。

「虫出しの雷」という言葉があります。これは、二十四節気の「啓蟄」の頃(3月6日頃)に鳴る雷を指します。

立春(2月4日頃)を過ぎると、地上ではまだ寒さが続いていますが、土の中では春のエネルギーが少しずつ増えていきます。それに合わせて、冬ごもりしていた虫たちも春に向けて準備を始めます。

その準備が十分に整ってくるのが、啓蟄の頃。そして、この時期に雷が鳴ると、地面を走るその電気で虫たちは目覚め、いよいよ地上に這い出してくるといわれています。そのため「虫出しの雷」と言われています。

「啓蟄」という言葉にも、地中で冬眠していた虫たちが穴を「啓」いて、地上に出てくるという意味があります。

それでは具体的にどのように過ごせば良いのでしょうか?

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(1)意識的に体をシャキッとさせる

これは、人間でも同じです。啓蟄の頃は、春に向けてそろそろ体を目覚めさせる時期。これまでの冬モードから春モードにスイッチを切り替えていきます。

たとえば冬の間は、他の季節に比べて、朝起きるのがつらかったり、外出する気になれなかったり、何をするのも面倒に感じたり、ということがしばしば起こります。

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がんばり屋さんの場合、そんな自分を責めたりしがちですが、東洋医学ではこれは「自然なこと」と考えています。たとえば、植物の種は、春の芽吹きのためのエネルギーを蓄えるべく、冬の間、地中でじっとしていますが、これは実は人間も同じ。

その時期に活発に動けば、無駄にエネルギーを消耗してしまうだけなので、体の自然な反応としてじっとしていることを選ぶのです。

一方、春は芽吹きの季節。体が春に向けていよいよ目覚める啓蟄の頃は、体も心も、これまでよりちょっとでいいので、「シャキッ」とさせることを意識します。

体をシャッキとさせる3つの方法
たとえば、(1)起きる時間を、これまでより10分でも15分でもいいので、少しだけ早くしてみる。(2)これまでよりちょっと外出の回数や時間を増やす。(3)人にもできるだけ積極的に会うようする……などなど。

この時期に、こうしたことを意識的に行っていくと、体のスイッチをスムーズに冬から春へと切り替えていけます。その結果、やがて到来する春を元気に過ごしやすくなります。

(2)この時季に摂りたい食材は?

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旬の山菜を摂ることも効果的
食生活では、意識して、「緑色」のものを摂っていきます。たとえば、菜の花やキャベツ、クレソンといった、旬の葉物野菜です。

また、苦味のある山菜、たとえばセリやフキノトウ、ウドなども、春には適宜摂りたい食材です。

というのも、これらには解毒作用があり、冬に蓄えたもののうち、いらないものを体の外に排出してくれるからです。そうやって、ある程度身軽になって、春の活動再開の準備をしていくのです。

ただし、山菜は食べすぎには要注意です。解毒作用が強いので、適量を超えると、胃腸の調子を崩しかねません。

その他、東洋医学では、目覚めの季節である春には、タンパク質と鉄分を多く含む食材も積極的に摂るのがいいとされています。具体的には、レバーや赤みの肉&魚、イカやタコ、アサリ等の貝類などです。

味付けは、「こってり」ではなく、「さっぱり」を基本にして、体の目覚めをサポートしてあげてください。

(3)「春だから…」とやたら活発になるのは逆効果!

一方で、「春に向けて体を目覚めさせる」といっても、無理は禁物です。たとえば、いろいろな活動を一気に始めたり、めちゃめちゃ早起きをしたり、外出をしまくったり、寒いのを我慢して薄着をしたり、など。

「体の疲れがずっととれない……」「なんとなく体調が悪い……」というのであれば、あきらかに季節を先取りしすぎです。

健康な人であれば、この時期、体そのものが目覚める態勢に入っているので、無理なく体が動く程度に活動していれば、自然と体が目覚め、春モードにシフトしていきます。

なので、自分にとって「快適」と感じる程度で、体を動かすようにしていきましょう。何事にも、ちょうどよい「塩梅」があります。

「これなら大丈夫」と、少し余裕をもって自分が取り組めるレベルで、体を目覚めさせていってください。

参考資料など

取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏
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