facebook line twitter mail

雪の日に傘をさすorささない 雪国でも地域差あり

2018/02/26 10:33 ウェザーニュース

雪が降ってきたら、あなたは傘をさしますか?

「さすし、あたりまえじゃん!」という人もいれば、「いやいや、ささないでしょ」という人もいらっしゃると思います。

そこで、ウェザーニュースでは全国の会員に、雪の日に傘を基本さすor基本ささないの2択で伺いました。(実施:2017年1月30日、回答数:10,408)
>>この先の傘の出番は?

雪国ほどささない人が多い

box0
ご覧の通り、エリアで見事な違いが出ました。もう少し詳しく見てみましょう。

各都道府県ごとに、回答の割合が多かった方で色分けしたのが下のマップです。

box1
基本的にささないのは、北海道を始め東北や長野などのエリア。

そして、傘をさすのは北陸、東日本の太平洋側や西日本となりました。

注目すべきは、雪国でさえ地域によって「さす」「ささない」が異なる点です。秋田県民はささない人が多いのに、新潟県民はさす人が多い。宮城県民はさす人が多いのに、長野県民はささない人が多い。

その理由は「雪質」にあり

さす・ささないの違いが出る理由は何なのでしょうか。
それは、降ってくる、雪の質が大きく関係しているようです。

よく使う言葉として粉雪やザラメ雪というような雪の名前がありますが、雪質で言うと

「乾いたサラサラの雪」
「湿ったベチャベチャの雪」


この2つに大別されます。

みなさんから頂いたコメントにもこの雪質のことがハッキリと書かれていて、

■さす人
湿雪だから、傘ささないとすぐにビショビショに濡れます。』(新潟県)

■ささない人
サラサラ雪は払うだけ。』(秋田県)

乾いた雪は服についてもパパッと払えば取れるので、傘をさすほどでもない。
一方で湿った雪はくっついて溶けるので濡れてしまうんですよね。だから傘をさすわけです。

雪質の違いは気温の分布でわかる

box5
20日間の平均気温分布(気象庁データより)
雪質の違いは気温が大きく関係しています。

冬場は北から雪を降らせる寒気が日本付近に降りてきます。

この寒気の影響を受けやすい北海道や東北北部では気温が低くなり、雪が溶けにくい。上空の気温もより低いためサラサラの雪で降ってきます。
長野県は盆地という地形特性が相まって気温が低下しやすく、これが乾いた雪につながっています

寒気から離れてくる北陸や東日本の太平洋側では、気温が上がるため雪が溶けやすい。降ってくる雪も溶けかかりのベチャ雪が多いのです。

今回の調査結果と気温分布図を比較してみましょう。



平均気温が氷点下以下のエリアと「ささない」エリア、逆にプラスの気温のエリアと「さす」エリアがほぼ重なります。

雪のイメージが有る北陸や宮城でも傘をさすのも、これで頷けます。

寒気の影響度合いが雪質に影響し、降ってきたときの濡れやすさに影響、それが傘をさす/ささないの人々の判断につながっているようです。
>>この先の天気を確認

参考資料など

気象庁HP
  • お天気トピックス
    もっと見る

  • 公式SNSアカウント