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【ブルーインパルス】芦屋基地航空祭で2018年初登場!

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2018/02/19 18:07 ウェザーニュース

航空自衛隊のブルーインパルスが、今年最初になる展示飛行(「アクロバット飛行」のこと)を今日2月18日に福岡県の芦屋(あしや)基地航空祭で披露します。
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全国に70余りある基地の中でも、ブルーインパルスにとって芦屋基地は深い縁のある基地なのです。

年間20数回の展示飛行

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展示飛行前のウォークダウン(提供:黒澤英介氏)
ブルーインパルスが展示飛行をするのは航空自衛隊の広報活動の一環で、全国の基地の航空祭などで年間20数回行っています。

ブルーインパルスが発足したのは1960年。年輩の人なら、1964年の東京オリンピックの開会式で上空にスモークで五輪のマークを描いたり、1970年の日本万国博覧会の開会式では「EXPO’70」の文字を描いたことを憶えているでしょう。

今年初めての展示飛行が行われる芦屋基地がブルーインパルスにとって縁が深い理由は7年前の東日本大震災にあります。

大震災による被害を免れた!

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一昨年の芦屋基地航空祭
ブルーインパルスは松島基地(宮城県東松島市)に所属しています。2011年3月11日、東日本大震災で松島基地は津波に襲われ、駐機場や格納庫の航空機28機(F-2B戦闘機×18機、T-4練習機×4機、U-125A救難捜索機×2機、UH-60J救難ヘリコプター×4機)すべてが水没し、基地機能も失われました。

そのとき、ブルーインパルスの6機は芦屋基地にいたため無事でした。3月12日に九州新幹線全線開通を記念した展示飛行のため芦屋基地に移動していたのです。記念式典も展示飛行も中止されましたが、それから約2年にわたってブルーインパルスは芦屋基地を拠点に訓練を行い、全国で展示飛行を披露したのです。

50を超える展示飛行の演目

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人気演目の「サクラ」(提供:黒澤英介氏)
各国の空軍にはアクロバット飛行チームがあります。アメリカ空軍は「サンダーバーズ」(機体はF-16)、イギリス空軍は「レッドアローズ」(ホーク)、フランス空軍は「パトルイユ・ド・フランス」(アルファジェット)などなど。

ちなみに日本のブルーインパルスが1995年から使用している機体は練習機のT-4で、F86-FとT-2に続く3代目になります。

ブルーインパルスが行う展示飛行の演目は50を超えますが、世界でもスモークを使って空中に描画する「描きもの」が得意なチームとして知られています。

世界を驚かせた「スター&クロス」

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見る人を驚かせる「スター&クロス」(提供:黒澤英介氏)
人気の演目の一つが「サクラ」。6機が編隊を組んで登場すると、編隊を崩してそれぞれ360°旋回し、スモークで6つの大きな輪を描きます。「キューピッド」も人気です。2機がスモークでハートを描くと、別の1機が直進してきて矢を描きますが、ハートを貫いているように見せるためにスモークを一度切る凝りようです。

これまで1度だけ海外でアクロバット飛行を行ったことがあります。1997年、アメリカ空軍創設50周年を記念してネバダ州のネリス空軍基地で行われた行事にカナダやブラジル、チリのチームとともに招かれたのです。

ブルーインパルスが披露した演目の一つが「スター&クロス」でした。最初のうちは5機がバラバラの方向にスモークを引いているようにしか見えませんが、気がつくとアメリカ空軍の象徴である星が描かれていたのです。観客から大絶賛を浴びました。

単独飛行の5番機、6番機

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迫力満点の「コーク・スクリュー」(提供:黒澤英介氏)
ブルーインパルスは6機で編成されていますが、演目によっては単独飛行することがあります。その役割を担うのが5番機と6番機。たとえば、コーク・スクリューという演目では、直進する5番機を中心にして6番機が3回バレルロールを行います。すると、コルクの栓抜きのような軌道がスモークで描かれるのです。

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飛行隊長(1番機)の稻留仁2等空佐(右)と5番機の元廣哲3等空佐
その5番機に乗る元廣哲3等空佐が、今年初めての展示飛行になる芦屋基地航空祭を前に、「今年も皆様に夢、希望、感動、そして笑顔をお届けできるよう、精一杯の演技を行いたいと思います。来場される皆さま、ぜひ楽しんでいってください。祈! 晴天!!」とメッセージを送ります。

芦屋基地ではどんな展示飛行が披露されるのでしょうか。航空ファンは期待に胸をワクワクさせてそのときを待っています。

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〔リンク〕ウェザーニュース記事一覧

参考資料など

写真提供:航空自衛隊

※各地で開催されるブルーインパルスの展示飛行情報はブルーインパルスHPに公開されます(http://www.mod.go.jp/asdf/pr_report/blueimpulse/schedule/index.html)

※ブルーインパルスが所属する松島基地には年間約3000人が訪れ基地見学を行っています。見学は原則として平日のみ(10:00〜11:30、13:00〜14:30)。申込みは希望日の1ヵ月前までに、第4航空団監理部広報班(電話 0225-82-2111<内線211>受付9:00〜15:00)へ
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