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【続報】草津白根山の火山活動

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2018/02/15 09:47 ウェザーニュース

草津白根山は火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)継続中です。本白根山では、今後も噴火が発生する可能性があります。本白根山鏡池付近から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。白根山(湯釜付近)の火山活動に特段の変化はみられません。
>>ウェザーニュース火山Ch.

気象庁の火山解説

火山活動の状況

1月23日の噴火の後に多発した火山性地震は1月24日以降減少していますが、噴火前に比べて多い状態で継続しているなど、火山活動が高まった状態となっており、1月23日と同程度の噴火が発生する可能性があります。2月7日以降の火山性地震の発生回数(速報値含む)は以下のとおりです。火山性微動は1月26日以降観測されていません。

火山性地震
7日 2回
8日 0回
9日 3回
10日 8回
11日 3回
12日 1回
13日 2回
14日(15時まで) 0回

14日実施した上空からの観測では、本白根山の火口およびその周辺の状況は、前回(1月28日)の観測と比べ、特段の変化は認められませんでした。監視カメラによる観測では、噴気などの状況に特段の変化はありません。白根山(湯釜付近)の火山活動に特段の変化はみられません。

火山予知連絡会より(14日)

草津白根山の本白根山では、1月23日10時02分頃に噴火が発生しました。噴火した場所は、鏡池北火口北側の火口列と西側の火口及び鏡池火口底の火口列と推定されます。噴火に伴う噴出物量は、火山灰の堆積量の調査から3万から5万トンと推定されます。その後は噴火はなく、火口からごく弱い噴気が時折確認されています。

この噴火の前後で、振幅の大きな火山性微動が09時59分から約8分間観測され、傾斜計では10時00分から約2分間で本白根山の北側付近が隆起し、その直後の数分間で沈降する変化が観測されました。また近傍のGNSS観測点でも、噴火に伴い新たな火口から遠ざかる動きが観測されました。ただし、GNSS観測では、噴火に伴う変化以外、マグマの動きを示す特段の変化は観測されていません。火山性地震は噴火の後に多数発生し、翌日以降に減少しましたが、その後も少ないながら噴火前よりやや多い状態が続いており、火口近傍の観測点では微小な地震が観測されています。わずかな傾斜変動を伴う振幅の小さな火山性微動は、翌日以降25日までみられました。

草津白根山の本白根山では、現時点ではマグマ噴火に移行する兆候は認められませんが、当面は1月23日と同様な噴火が発生する可能性は否定できません。噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。

今後の本白根山の火山活動をより詳細に把握するための、更なる観測体制の強化について、検討する必要があります。

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防災上の警戒事項等

本白根山鏡池付近から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。
引き続き、白根山湯釜火口から概ね500mの範囲ではごく小規模な火山灰等の噴出に注意してください。
>>ウェザーニュース火山Ch.
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