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「三八豪雪」「五六豪雪」…今年の豪雪度は?

2018/02/09 11:08 ウェザーニュース

車が2日も3日も立ち往生する北陸地方を中心とした豪雪。これまで気象庁が命名した豪雪は「昭和38年1月豪雪」と「平成18年豪雪」がありますが、どれほどの雪が降り積もり、どんな被害が出たのでしょうか。
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記録破りの三八(さんぱち)豪雪

1963(昭和38)年1月から2月にかけて、新潟県から京都府北部の日本海側を豪雪が襲いました。気温が低く日照も極端に短かったため、降雪の大半は溶けずに残りました。最大積雪深は、新潟県長岡市318cm、石川県金沢市181cm、福井県福井市213cmで、今も観測史上最高となっています。

雪崩などで死者・行方不明者は231名、住宅の全半壊は約6000棟、列車の運休本数は約1万9500本、自衛隊の救難活動は約1ヵ月に及び、述べ37万2000人が投入されました。ちなみに自衛隊は火炎放射器で雪を溶かしましたが、あまり効果的ではなかったそうです。

鉄塔倒壊もあった五六(ごうろく)豪雪

気象庁は命名していませんが、1980(昭和55)年12月から81(昭和56)年3月にかけて東北地方から北近畿までを「五六豪雪」が襲いました。着雪や強風で送電線の切断、鉄塔の倒壊、漁船の遭難が多発。マツダが自動車専用船が富山県の専用港に自動車を運んでいましたが、雪の重みで大量の自動車が壊れ、船による輸送から撤退しました。

被害は、死者・行方不明者152名、住宅全半壊約470棟など。特に降雪が多かった福井市(622cm)では、雪捨て場となった福井城のお堀にダンプ5万台分の雪が積み上げられ、隣の5階建ての福井県警本部と同じ高さになり、「五六豪雪新山」と呼ばれ、雪山は6月まで残っていたそうです。

広域に大雪が降った一八(いちはち)豪雪

2005(平成17)年12月から2006(平成18)年2月にかけて北海道から九州の日本海側に大雪が降ったのが一八豪雪です。1990年代から暖冬傾向が続いていましたが、断続的に流れ込む寒波と爆弾低気圧が日本各地に大雪や暴風をもたらしました。

被害は、死者152名、重軽傷者約2100名、住宅の全半壊46棟、一部損壊約4700棟。雪崩による死者は2名と他の豪雪に比べて少なかったのですが、死者の7割は雪下ろし中の事故(転落・心臓発作など)でした。43年前の三八豪雪を経験したお年寄りは、「当時は若者がいたため対処しやすかったけれど…」と中山間地区の高齢化・過疎化を嘆きました。

今年の豪雪も過去の豪雪に匹敵します。なかでも長岡市、金沢市、福井市の積雪深は12年前の一八豪雪を超えています。気象庁によって「平成30年豪雪」と命名される可能性は高いと言えそうです。
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