平昌の風に要注意!
――平昌は風が強いことで知られていますが
ジャンプ競技の成績は風に大きく左右されます。風力、風向がジャンプに大きな影響を与えるのです。平昌は韓国でも寒風が強いことで知られ、2月は秒速15mの突風に見舞われることもある地域。今回は、ジャンプ台の両側に高さ最大25m、幅255mの巨大な防風ネット(可変式)が設置されました。これは長野県の建築家が技術を提供しています。
ジャンプ競技の成績は風に大きく左右されます。風力、風向がジャンプに大きな影響を与えるのです。平昌は韓国でも寒風が強いことで知られ、2月は秒速15mの突風に見舞われることもある地域。今回は、ジャンプ台の両側に高さ最大25m、幅255mの巨大な防風ネット(可変式)が設置されました。これは長野県の建築家が技術を提供しています。
――今シーズン優勝のない高梨沙羅選手(21)は?
「高梨さん自体はそんなに変わっていないのですが、他の選手の力量が追い付いてきたのです。この何年間か世界最強の高梨さんを研究してきたわけですからね。身長152cmの高梨さんの強みは、低い姿勢からテイクオフ後の飛行姿勢に入るまでの早さが天才的なんです。ですから踏み切りから前方向への鋭い飛び出しが他の選手とどう違うかが見どころのひとつになります」
――スタートのタイミングについて
「ジャンプ台の斜度は35~37°、助走では時速90km以上になります。信号が赤から青に変わったら10秒以内にスタートしなければなりません。助走路の下にいるコーチはその10秒内で風力、風向のベストを判断して選手にスタートOKの旗を振ります。滑走面はテレビでは分かりませんが、雪ではなく氷なんです」
「高梨さん自体はそんなに変わっていないのですが、他の選手の力量が追い付いてきたのです。この何年間か世界最強の高梨さんを研究してきたわけですからね。身長152cmの高梨さんの強みは、低い姿勢からテイクオフ後の飛行姿勢に入るまでの早さが天才的なんです。ですから踏み切りから前方向への鋭い飛び出しが他の選手とどう違うかが見どころのひとつになります」
――スタートのタイミングについて
「ジャンプ台の斜度は35~37°、助走では時速90km以上になります。信号が赤から青に変わったら10秒以内にスタートしなければなりません。助走路の下にいるコーチはその10秒内で風力、風向のベストを判断して選手にスタートOKの旗を振ります。滑走面はテレビでは分かりませんが、雪ではなく氷なんです」
――空中で選手は何を見ているのですか?
「ぼくの経験では、観客席とか周りの景色は見えなかったですね。ただ着地点だけを見ていました。ジャンプ競技は、テイクオフで飛び出してしまえば、ほとんど何もすることができません。風を体で感じながらバランスを崩さないように気をつけています」
「ぼくの経験では、観客席とか周りの景色は見えなかったですね。ただ着地点だけを見ていました。ジャンプ競技は、テイクオフで飛び出してしまえば、ほとんど何もすることができません。風を体で感じながらバランスを崩さないように気をつけています」
金メダルのポイントは飛び出しにあり
――飛型点のポイントは?
「スキー板の揺れや姿勢がジャッジされ、5人の飛型審判員がジャンプの美しさ、正確さ、着地姿勢などを20点満点から0.5点単位の減点法で採点します。最も高い点数と一番低い点数を除いた3人の合計を足した数が飛型点になります(満点は60点)。
――着地のテレマークも大事なんですね?
「高梨選手はテレマークが苦手とされてきました。飛距離が出すぎるためK点付近でテレマーク姿勢が取りにくかったんです。テレマークは、着地の衝撃が少なくなる理想的な姿勢とされ、膝を曲げてスキー板を前後にずらし、両手を左右に(水平に)開き、腰を落とした状態の着地をいいます。テレマークができているかどうかは、飛型点に関係してきます。各選手がどのようなテレマーク姿勢をとるのかも見どころといえます」
――K点について教えてください
「ジャンプ競技は飛型点と飛距離の合計で争いますが、とりわけK点越えジャンプの迫力はテレビで観戦していても伝わってくるでしょう。各選手は2本のジャンプを行うなかで、K点越えを出せるかどうかでメダルの色が変わってくると思います。
K点とは、これ以上飛ぶと危険ですというジャンプ競技台の「極限点」の意味で使われていました(ドイツ語の「Kritischer Punkt」の略)。選手が着地するランディングバーンに赤いラインが引かれているのですぐにわかります。
近年、K点越えが連発されていて、現在はそのジャンプ台の極限を示す目安としてヒルサイズが設けられています。今ではK点越えが、勝敗のポイントになってきています」
「スキー板の揺れや姿勢がジャッジされ、5人の飛型審判員がジャンプの美しさ、正確さ、着地姿勢などを20点満点から0.5点単位の減点法で採点します。最も高い点数と一番低い点数を除いた3人の合計を足した数が飛型点になります(満点は60点)。
――着地のテレマークも大事なんですね?
「高梨選手はテレマークが苦手とされてきました。飛距離が出すぎるためK点付近でテレマーク姿勢が取りにくかったんです。テレマークは、着地の衝撃が少なくなる理想的な姿勢とされ、膝を曲げてスキー板を前後にずらし、両手を左右に(水平に)開き、腰を落とした状態の着地をいいます。テレマークができているかどうかは、飛型点に関係してきます。各選手がどのようなテレマーク姿勢をとるのかも見どころといえます」
――K点について教えてください
「ジャンプ競技は飛型点と飛距離の合計で争いますが、とりわけK点越えジャンプの迫力はテレビで観戦していても伝わってくるでしょう。各選手は2本のジャンプを行うなかで、K点越えを出せるかどうかでメダルの色が変わってくると思います。
K点とは、これ以上飛ぶと危険ですというジャンプ競技台の「極限点」の意味で使われていました(ドイツ語の「Kritischer Punkt」の略)。選手が着地するランディングバーンに赤いラインが引かれているのですぐにわかります。
近年、K点越えが連発されていて、現在はそのジャンプ台の極限を示す目安としてヒルサイズが設けられています。今ではK点越えが、勝敗のポイントになってきています」
――高梨選手、伊藤選手のライバル選手は?
「目下、ワールドカップ今季6連勝で7勝目をあげている絶好調のマーレン・ルンビ選手(ノルウェー)を筆頭にダニエラ・イラシュコ選手(オーストリア)、カタリナ・アルトハウス選手(ドイツ)らが強敵です。
高梨選手には彼女たちにチャレンジする気持ちで思いきったジャンプを期待します。本来の力が発揮されれば金メダルにも手が届きます。そのポイントは高梨選手の飛び出しにあります。他の選手との助走スピードや角度に注目してください」
平昌のジャンプ競技(4種目、19日まで)では、風が勝敗を大きく左右するとみられています。風が強い平昌には、強風と寒さを利用した「ファンテ(スケトウダラの干物)」という特産品があるくらいです。
平昌の強い風を味方にして「日の丸飛行隊」(1972年札幌冬季五輪、1998年の長野冬季五輪の金メダル獲得で称されるようになった)が、日頃の成果を発揮してほしものです。みんなで応援しましょう!
【平昌の2月の気候】
ソウルから車で約3時間。標高の平均700m、緯度は新潟県長岡市、福島県猪苗代町とほぼ同じ。2月の平均気温-5.5℃、過去最低-27.6℃、降雪日数11.8日、日照時間185.2時間(東京193.7時間)。今年は1月からの寒波襲来で-20℃を記録する厳しい寒さで冬季五輪を迎えています。
〔リンク〕全国 スキー場の天気予報
「目下、ワールドカップ今季6連勝で7勝目をあげている絶好調のマーレン・ルンビ選手(ノルウェー)を筆頭にダニエラ・イラシュコ選手(オーストリア)、カタリナ・アルトハウス選手(ドイツ)らが強敵です。
高梨選手には彼女たちにチャレンジする気持ちで思いきったジャンプを期待します。本来の力が発揮されれば金メダルにも手が届きます。そのポイントは高梨選手の飛び出しにあります。他の選手との助走スピードや角度に注目してください」
平昌のジャンプ競技(4種目、19日まで)では、風が勝敗を大きく左右するとみられています。風が強い平昌には、強風と寒さを利用した「ファンテ(スケトウダラの干物)」という特産品があるくらいです。
平昌の強い風を味方にして「日の丸飛行隊」(1972年札幌冬季五輪、1998年の長野冬季五輪の金メダル獲得で称されるようになった)が、日頃の成果を発揮してほしものです。みんなで応援しましょう!
【平昌の2月の気候】
ソウルから車で約3時間。標高の平均700m、緯度は新潟県長岡市、福島県猪苗代町とほぼ同じ。2月の平均気温-5.5℃、過去最低-27.6℃、降雪日数11.8日、日照時間185.2時間(東京193.7時間)。今年は1月からの寒波襲来で-20℃を記録する厳しい寒さで冬季五輪を迎えています。
〔リンク〕全国 スキー場の天気予報