facebook line twitter mail

雨や雪の日にタクシーの売上げはどれだけUPする?

top

2018/02/28 14:54 ウェザーニュース

雨の日はもちろん、雪の日ともなればタクシーはなかなか捕まりませんよね。天候によってタクシー需要はどれほど伸びるのか。…そして売り上げは?
〔リンク〕天気予報・週間予報

雨の日の需要は通常の5〜6割増し

「あくまでも配車センターに入ってくる注文件数ですが、雨の日は晴れの日に比べて5〜6割増えます。昨年10月に台風が上陸して大荒れになった日は、通常の9倍になりました。さすがにすべては応じ切れませんでしたが…」と語るのは、日本交通・広報担当課長の野村貴史さん。

日本交通は都内でタクシー約4000台、ハイヤー約1200台を運用する業界最大手。タクシーは通常、流し(付け待ちを含む)で9割、無線配車で1割の乗客を乗せますが、日本交通は無線配車の比率が4分の1と高く、1日1万件以上に上りますが、その依頼件数が天候によって大きく変わるというのです。

box1
日本交通の配車センター
これは一般論ですが、都内で午前8時から翌日午前2時まで勤務した場合、売上は通常5万円前後。雨の日には売上が2割ほど増えるといわれています。

雪の日のタクシー需要は30〜40倍

雨の日よりもっと需要が伸びるのが雪の日です。「2014年2月の大雪の日は通常の30〜40倍の無線配車の注文がありました。今年1月22〜23日の大雪とその翌日も通常の10倍ほどでした。配車センターはてんてこ舞いで、電話がつながらない状態でした」(野村さん)

box2
雪の日はスタッドレスタイヤを履いて出庫する
ちなみに、雪の予報が出ると、タクシーは営業所でノーマルタイヤをスタッドレスタイヤに交換して出庫します。雪が降らない日はノーマルタイヤなので、降雪地帯へ行くよう依頼されても、営業所の運行管理者に相談のうえ断ることがあるそうです。

一方、ハイヤーは遠出することがあるので、11月頃にスタッドレスタイヤに履き替え、3〜4月に戻すといいます。

タクシー運転手は天候に敏感

野村さんによると、タクシー運転手は天気予報をこまめにチェックするなど天候に敏感とのこと。たとえば、早い時間帯から雨が降ると、夜は寄り道せずに帰る人が多いと予想し、“夕方休憩”をずらして街頭を流し、売上を作る…という具合に、当日の営業を組み立てます。

box3
タクシー運転手は天候に敏感
「特定の地区から無線配車の注文がドッと増えることがあります。電車が止まったり、大きなイベントが終わったりもありますが、多いのはゲリラ雷雨の発生など悪天候によるもの。タクシーの需要は気象が大きく影響するので、ビッグデータを利用して気象変化による需要予測などを研究しているところです」(野村さん)

思った以上に“お天気商売”のタクシー。雨や雪の日はつかまりにくいことが多いのですが、気象情報の活用で待ち時間が短くなるなど利便性向上に期待したいですね。
〔リンク〕天気予報・週間予報
〔リンク〕ウェザーニュース記事一覧

参考資料など

画像提供:日本交通株式会社
  • お天気トピックス
    もっと見る

  • 公式SNSアカウント