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【節分の豆】食べるとこんなパワーがあった!

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2018/02/03 06:58 ウェザーニュース

2月3日は節分。各家庭から「福は内!」という声が聞こえ、豆をまく風習がいまも健在です。豆まきに使われる大豆はすごいパワーをもっています!
食文化論者、発酵学者として知られる小泉武夫東京農業大学名誉教授にお聞きしました。
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――節分とはどんな意味ですか?

「節分とは季節の変わり目をいい、二十四節気のうち立春、立夏、立秋、立冬の前日をさす言葉です。それぞれ季節を分けることから節分(『せちぶん』ともいう)。なかでも立春の前の節分は、邪気を払うという思いを込めて、鰯(いわし)の頭と柊(ひいらぎ)を玄関にかざしたり、近年すっかり有名になった恵方巻をほお張ったりと、それぞれしきたりが残されています」

――なぜ節分に豆をまくのですか?

「節分に福豆で邪気を払うのは『魔滅(まめ)』の語呂合わせともいわれていますが、背景には天道思想、いわゆる太陽を思わせる丸い豆が有している霊力への崇拝があると思われます。

ほかにも大豆の茎や葉の灰を悪霊が来そうなところにまいたり、囲炉裏の灰で焼いた大豆で天候を占ったり、その霊力にたのむ儀式が各地にあります」

――豆のルーツは?

「節分で豆まきに使われる大豆は、弥生時代に中国から渡ってきました。味噌や醤油のもとである穀醤(こくしょう)として利用されはじめたのが奈良時代です。

文献上、最も古い大豆の記録は『古事記』の説話に登場し、奈良時代の『風土記』には水田のあぜに大豆を植える様子が記されています」

――豆まきの豆にはパワーがあるんですか?

「そうです。豆まきに使われる福豆は『畑の牛肉』と称される大豆です。文部科学省の『日本食品標準成分表』によれば、可食部100g当たりのたんぱく質量は牛肉を上回ります。

しかも米に少ないリジンなど体内で作ることのできない必須アミノ酸9種類を含め、人間が必要とするアミノ酸20種類すべてを含む強力なたんぱく源なのです」

――大豆ってすごいんですね

「ペプチドが注目されています。アミノ酸が2つ以上つながったものを『ペプチド』といいます。大豆を基質として麹菌が作用してできるさまざまなペプチドには血圧上昇抑制や肝機能を向上させる作用があるとして注目され、いま研究が進んでいます。

またアミノ酸が2つつながったジペプチド、3つつながったトリペプチドはアミノ酸より吸収が早いとされます。日本人とは長い付き合いの大豆ですが、今なお、新たな健康効果が明らかになっているのです」

――アンチエイジング効果もあるんですか?

「大豆は、アンチエイジング効果で注目されているポリアミン、総コレステロール値を低下させる大豆レシチン、腸内の善玉菌のビフィズス菌を増殖させるオリゴ糖、抗酸化作用がある大豆サポニンなど、多くの機能性物質を含んでいます」

節分がわたしたちの大豆への関心を呼ぶきっかけになってほしいと小泉武夫先生は言います。まずは、節分の豆を年の数だけしっかり食べて、この1年の無病息災を願いわたしたちの食生活を見つめ直す機会としたいものです。

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