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寒暖差で発症する「冬の気象病」に注意

2017/12/21 11:04 ウェザーニュース

冬の入り口は冷える日があれば、寒さが緩む日もあります。あなたの身体の不調は寒暖差が原因かもしれません。

自律神経が乱れる気象病

気象病外来を開設するせたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)院長の久手堅司(くでけん・つかさ)さんによると、季節の変わり目には気象病の患者さんが多くなるそうです。

「初冬の今頃は、朝、布団から起き上がれない、手足の冷えやしびれがひどい、首こり肩こりがつらい、めまいや吐き気、立ちくらみが耐えられないなどと訴える患者さんが受診されます。日中の最低気温と最高気温の差が大きかったり、前日との気温差が7℃以上あったりするとその翌日か翌々日に来院される方が増えます」(久手堅さん)
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霜柱が立つような寒い日は寒暖差に注意
久手堅さんによると、寒暖差で体調を崩すのは、主に自律神経が環境の変化についていけないため。自律神経は、血流や血圧、筋肉、三半規管、心臓、胃腸など全身の生理機能をコントロールしているので、自律神経が乱れると、その人の弱いところに症状が現れるのだと言います。

「20代女性の気象病患者の症例を紹介します。その女性は毎年冬になると頭痛や肩こり、めまい、吐き気、四肢の冷えといった症状で近所の医院に通院していましたが、症状は改善しなかったと言います。

めまいや吐き気に効く五苓散(ごれいさん)をはじめとした漢方薬や乗りもの酔いの薬を処方し、体幹の歪みを改善するストレッチを毎日続けるよう指導したところ、2週間後に来院したときは、症状がだいぶ改善していました」(久手堅さん)

低気圧の接近にも要注意

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気象病外来を開設するせたがや内科・神経内科クリニック院長の久手堅司さん
クリニックに通院する患者さんの3割は気象病で、その大半は前に通院していた医療機関で「自律神経失調症」と診断されたものの、症状が改善しなかったと言います。

「心療内科や精神科でうつ病と診断され、向精神薬を服用しても良くならず、医療機関のはしごをしていた人も少なくありません。寒暖差だけでなく、台風など低気圧が接近すると体調を崩す場合も気象病を疑ってください」(久手堅さん)

あなたの症状は、どんな天候のときに現れたり悪化するのかを記録してはどうでしょうか。軽い気象病なら、乗りもの酔いの薬だけで改善することもあるそうです。