鉄道各社の暖房事情
【JR東日本】車内温度は自動調整。路線や区間によって異なる
--首都圏の主力電車E233系は車内温度が一定になるよう自動制御を行っているため、車内温度は外気温や混雑状況によって変化します。基本の温度設定は、各支社によって異なりますが、おおむね10〜5月の間が暖房運転期間となっています。最近の車両では、車内がより暖まるよう、座席下の暖房機を少し斜め下向きに傾けて設置し、足下から温められるようにしています(東日本旅客鉄道広報部)
※JR東日本は多種多様な車両と路線を有しているため、今回は首都圏の主力電車のE233系(中央線、京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ラインなどで使用中)に絞って回答
【東京メトロ】厳冬季でも、地下の走行区間や駅構内は比較的温暖
--車内の設定温度は原則20℃としたうえで、乗務員が時間帯や車内の混雑度、車内温度を判断し、適宜調整したり、ON/OFFの切り替えを行っています。地上駅では待合室などに暖房を設置。他社線からの乗り入れ車両の暖房も、弊社乗務員が調整しています(東京メトロ広報部)
【小田急電鉄】厳寒期には出庫点検時から早め暖房
--暖房の基本設定は20℃。混雑度や気温などのデータをモニターで判断し、車掌が+1℃〜−2℃の範囲で温度を調節。空調状況を知らせる車内アナウンスも行っています。厳寒期には出庫点検時から暖房を。3000形と4000形の車両には、急速暖房装置も搭載しています(小田急電鉄広報部)
【東急電鉄】状況に応じてONとOFFを。ヒートポンプも使用
--設定温度は20℃。11月中旬以降に外気温などで判断して暖房を入れます。座席の下に設置されている電気暖房が主流ですが、一部の車両では環境に優しいヒートポンプを用いて、頭上から温風を送り出し、車内を循環させています(東京急行電鉄株式会社)
【京王電鉄】新しい車両は、車内温度の自動調整機能付き
--電車内の設定温度は、全線全車両が22℃。今年9月に営業運転を開始した5000系などの自動調整機能付きの車両では、車両内外の温度や混雑度から自動的に設定温度に合わせています。自動調整機能が付いていない車両では、混雑の状況や時間帯によって車掌の判断で暖房のON/OFFを行っています。ラッシュ時などの状況によっては、冷暖房ではなく送風を使用するなどの工夫もしています(京王電鉄広報部)
※暖房自動運転機能:車内、車外の温度と湿度、乗車率(空気バネの沈みを検知して、おおよその乗車人数を割り出す)などのデータを基に、設定温度の数値に合わせるべく、冷暖房の自動制御を行う
【西武鉄道】特急や西武秩父線は通勤電車より4〜5℃高め
--通勤電車の温度設定は19℃。暖房自動運転機能がある車両は自動的に19℃になります。特急や外気温が低い西武秩父線は通勤電車より4〜5℃高めの設定です。自動運転機能がない車両は、乗務員の判断で暖房のONとOFFを。随時係員が乗車して、温度調整や空調データの解析も行っています(西武鉄道広報部)
【東武鉄道】一部の旧型車両を除き冷暖房はコンピュータ管理による自動調整
--通勤用車両、特急用車両、TJライナーなど、車両や列車種別の区別なく、どの車両も車内温度が23℃に設定しています。暖房のONとOFFの切り替えは、天候や温度、湿度、混雑状況などを考慮して車掌が判断しています(東武鉄道広報部)
【京成電鉄】スカイライナーと通勤形など、列車種別による温度差はなし
--設定温度は公表させていただいておりませんが、お客さまのご意見、ご要望に基づいて、担当部署で総合的に判断しております。その上で、外気温や混雑の具合を判断して、車掌が暖房スイッチのONとOFFの切り替えを行っております。なお、列車によって温度の変更はしておりません(京成電鉄株式会社)
【京急電鉄】設定温度は18℃。外気温や車内状況で適宜判断
--設定温度は18℃です。乗務員が車内状況などを判断して、暖房スイッチのONとOFFを行っています。車内温度に対する意見が乗客によって異なることもありますが、状況に合わせて乗務員が判断、対応しています(京浜急行電鉄株式会社広報部報道課)
混雑緩和で車内温度も快適に
各社とも、混雑度や天候、時間帯によって、設定温度の調節や暖房のON/OFFを細やかに行っているようです。基本の温度設定は20℃±2℃前後の会社が多いのですが、路線によって5〜6℃の開きがありました。
同じ温度設定でも混雑している車内ほど暑く感じられるということで、各社とも運転本数や編成両数を増やすなど、混雑の緩和対策に努めています。
基本の温度設定を知って衣服を調節したり、暑く感じる場合は、少しでも空いている車両や時間帯を選ぶなど、より工夫して乗車したいですね。
>>今日・明日の天気と気温
同じ温度設定でも混雑している車内ほど暑く感じられるということで、各社とも運転本数や編成両数を増やすなど、混雑の緩和対策に努めています。
基本の温度設定を知って衣服を調節したり、暑く感じる場合は、少しでも空いている車両や時間帯を選ぶなど、より工夫して乗車したいですね。
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