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秋田に「雪下ろし注意情報」
なぜ多い?豪雪地の事故

2017/12/18 12:39 ウェザーニュース

先日15日(金)秋田県で今季4回目の「雪下ろし注意情報」が発表されました。雪深い地域ならではの注意喚起の中身とは。

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秋田県ホームページより
これは雪下ろし中の転落事故や落雪による事故を未然に防ぐべく、秋田県が独自に発表する注意情報。

各地域を代表するアメダス観測点における、観測当日を含む過去6日間の降雪量及び翌日の予想最高気温が、各地域の発表基準を満たした場合に発表しています。

また山形県でも独自の発表基準により雪下ろし・落雪事故防止注意喚起情報を発表しています。

除雪中の事故の4分の3は「転落事故」

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屋根やハシゴからの落下による転落事故が除雪中の事故の4分の3を占めます。

なぜ雪かきによる事故が多いのか、専門家によると「豪雪地帯では、今と昔で雪かきの環境が少しずつ変わってきています。」といいます。

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長岡技術科学大学 上村 靖司教授
◆アスファルトなどの露出面の増加
家周りや家の車庫前の除雪環境が整い、アスファルトなどの露出面が増加。そのため、自然積雪というセーフティーネット(転落時の衝撃吸収)が無い場所が増え、落下時の事故が深刻化しています。

◆過疎化により単独作業が主流
除雪作業をまかせられる若い世代が減ったことで、やむを得ず高齢者が単独で作業を行うケースが増えています。

◆高齢化による作業能力の低下
高齢になると体力が落ちたり判断が遅くなったりして事故に遭いやすくなります。また心疾患などの発病事故も増えます。

雪かき事故防止のためには?


◆一人で作業しない
作業開始後、最初の10分に事故が起きやすいと言われています。特にハシゴから屋根を昇り降りする際はまわりと声を掛け合うようにしてください。

◆無理をしない
除雪作業は重労働です。作業前の準備体操を必ず行うようにしてください。また、少しでも体調が悪くなれば作業を止めるようにしてください。

◆作業前に命綱をつけて作業を行う
体に命綱を取り付けるだけで、作業時の安心感が大きく変わります。作業効率を上げることにも繋がるので、作業前に命綱をつけるようにしてください。また、屋根にアンカーを設置しておくことで、「第三者」にお願いする際も安心して作業を依頼することが出来ます。

助け合いと事前の備えを

なるほど、社会の変化、そして住環境の変化など、時代の流れが「雪下ろし」の事故につながってしまっているんですね。

それこそ助け合いの機会による「第三者」による雪下ろしの機会が増えてくると予想されます。安全対策は欠かせません。

少しでも雪かき事故を減らすべく、事前に備えていきましょう。