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激レア現象も!?今年のふたご座流星群の楽しみ方

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2017/12/09 06:52 ウェザーニュース

12月14日に見頃を迎えるふたご座流星群は、しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群とともに、「3大流星群」の一つとして数えられています。
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流れ星が最活発化する今年の「極大時刻」は14日15時頃。この時間帯は日中のため、前日13日夜から14日明け方にかけてと、14日夜から15日明け方にかけての2夜が見頃となりそうです。

今年のふたご座流星群の楽しみ方について、天文雑誌『月刊星ナビ』を発行している株式会社アストロアーツの大熊正美社長にお話を伺いました。

母天体は小惑星ファエトン

「流星群は、彗星や小惑星が通り道に残していったダスト(塵)が地球の大気に飛び込んで、上空100km前後で発光して見える現象とされています。この塵をばらまいた天体を母天体といいますが、ふたご座流星群の母天体は近年まで分かっていませんでした。

1983年に、NASAが打ち上げた赤外線天文衛星によって発見された小惑星ファエトンの軌道がふたご座流星群の軌道と酷似していたため、小惑星ファエトンが母天体であり、ファエトンはかつては彗星だったものが衰え、その名残が小惑星として残っていると思われていました。

ところが、2009年と2012年に、NASAの太陽観測衛星が小惑星ファエトンを観測したところ、現在もなお彗星状の尾があり『活性化した状態』であることが分かり、驚かされました」(大熊社長)

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見頃の時間帯や観測条件は?

「流星群は放射点を中心に四方八方に流れるように見えるので、放射点が空高く上がってくるのを待つと良いでしょう。21時以降の時間帯が観測に適しています。

また、一般的にもよく知られている夏のペルセウス座流星群と比べると、速度が遅いので、よりゆっくりとした流星を眺めることができます。

今年はここ数年の中でも月齢条件が良いのも特徴。見頃となる14〜15日は、明け方まで月明かりの影響がないので気象条件が整えば、はっきりと流星が見られるでしょう」(大熊社長)

激レア現象も?

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「細い月と惑星や一等星が接近している光景はとても美しいものです。14日の明け方には月と火星が、15日の明け方には月と木星が、朝5時頃の南東の空で接近する様子が楽しめます。運が良ければ、月+火星or木星+流星のワクワクするような共演も観測できるかもしれません!」(大熊社長)

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アストロアーツの大熊社長

気になる当日の天気は?

14日夜~15日明け方は、冬型の気圧配置となり、比較的雲の少ない太平洋側や沖縄・奄美を中心に流星観測に期待ができそうです。

一方、西日本では、高気圧の縁をまわって流れ込む湿った空気と前線の影響で雲が広がりやすくなります。
日本海側では雲の隙間を狙っての流星観測となり、九州南部では観測には難しい空模様となりそうです。
また、北陸や北日本の日本海側も雲が多く、観測が難しい天候となる予想です。

この時期としては寒さが控えめとなるところが多い予想ですが、晴れるエリアでは、放射冷却現象により冷え込みが強まります。流星観測をする際は、寒さ対策を万全にしてお楽しみください。

また、ふたご座流星群は活動のピークがなだらかなため、14日に天気が悪いエリアは、その前日の13日でも十分に観測できます。最新の天気を確認して、最も晴れる日に観測するのが良さそうです。
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