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冬の風物詩、霜柱にまつわる豆知識

2017/12/13 09:13 ウェザーニュース

朝の冷え込みが日に日に厳しくなる季節になりました。寒い朝に地面を見ると、霜柱ができていることがあります。サクサクと踏みつぶすのが楽しいので、子どもたちも大喜びの冬の風物詩ですよね。
この霜柱、最低気温が氷点下になるような日によくできます。特にこれからの季節、雲のない晴れた日の朝はグンと冷え込むので、霜柱日和といえます。
>>現在の気温は?

では、霜柱はどのようにしてできるのでしょうか。

霜柱が出来るメカニズム

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まず、気温が氷点下になると、適度に湿った土の表面が地表から凍ります。
そして、地中の水分が土の粒の間の細い隙間を通って地表まで移動し、地表で凍っている部分を押し上げながら凍っていきます。これが霜柱のできるしくみです。
なお、このように細い空間を重力に関係なく液体が移動していくことを「毛細管現象」といいます。

ちなみに、「霜」と「霜柱」は違います。霜は、空気中の水蒸気が凍った氷の結晶が、地面や植物の葉などの表面にくっついたものです。それに対して、霜柱は、地面の水分が凍ったものです。

この霜柱ですが、できる条件は気温だけではありません。地方によってもできやすさが違います。意外なことに、寒い地方だからできるとは限らないのです。

雪が降る北陸より都心の方が出来やすい!?

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2017年12月5日〜6日実施 10175人が回答
実際に霜柱を見たことがあるかどうかを、スマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」内で調査してみたところ、全国で上の図のような分布になりました。
主に東日本の方が「霜柱を毎年見る、たまに見る」、西日本の方が「めったに見ない、見たことない・知らない」と回答する傾向にあるのですが、新潟や富山、福井といった北陸地方では「めったに見ない、見たことない・知らない」という回答のほうが多く、暖かいはずの熊本・宮崎・鹿児島で「霜柱を毎年見る、たまに見る」という回答が多かったのが意外でした。

「火山灰」が霜柱の立役者

なぜ、このような結果になったのでしょうか。それは、冬の天候と地質が大きくかかわっています。まず、北陸地方は豪雪地帯であるため、冬に晴れていることが少ないですし、そもそも雪が積もっているため霜柱ができにくいのです。

一方で、南九州で霜柱が見られるのは、おそらく地質に原因があるのではないかと思われます。このあたりは火山が多いため、火山灰が降り積もっています。細かい粒子の火山灰でできた土は、土の中に水分を含みやすく、毛細管現象も起こりやすいため、霜柱ができやすいのです。関東地方も比較的温暖ですが、霜柱がよくみられるのは、関東ローム層という火山灰の土のせいだといわれています。

そういえば、霜柱を踏んだあとの靴は、どろどろに汚れてしまうもの。この泥のような土が、霜柱の立役者というわけなのですね。