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流行語大賞、本日発表! これまでに選ばれた気象用語は?

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2017/12/01 05:49 ウェザーニュース

2017年の新語・流行語大賞に、「線状降水帯」がノミネートされましたね。線状降水帯は、積乱雲が連続して発生して線状に並んでしまうことで、長時間にわたって激しい雨を降らせてしまいます。今年の夏、九州北部に発生した線状降水帯は記録的な豪雨をもたらし、甚大な被害が出たのは記憶に新しいところです(平成29年7月九州北部豪雨)。トップテンならびに年間大賞は本日発表ですが、果たして選ばれるでしょうか?

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7月5日に九州北部に発生した線状降水帯
「線状降水帯」以外も近年では、「これまでに経験したことのないような大雨」「竜巻」(共に2012年)、「酷暑」(2010年)など、気象に関連する用語が頻繁にノミネートされ、「特別賞」や「トップテン」などを受賞した用語もあります。実際にどんなものがあったのでしょうか。

これまでの気象関連の流行語は?

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●「気象観測史上(はじめての…)」(受賞者:テレビ各局のお天気キャスター/1990年)
冬は記録的な暖冬、夏は記録的な猛暑、さらに9月以降は台風上陸が相次ぐなど、1990年は異常気象の連続でした。特に台風は、12月間近の11月30日に台風28号が上陸。これは今でも更新されることなく、最も遅い台風の上陸記録となっています。

●「猛暑日」(受賞者:瀧沢寧和=熊谷市直実商店会会長/2007年)
猛暑日は1日の最高気温が35℃を超える日のことを指しますが、2007年は猛暑日がとても多く、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市では、最高気温40.9℃を記録しました。これを機に、気象庁では猛暑日を新用語として採用しました。

●「ゲリラ豪雨」(受賞者:石橋博良=当社創業者/2008年)
2008年は7月から8月にかけて全国各地で局地的な集中豪雨が頻発し、川の氾濫や家屋への浸水などの被害が多発しました。また、1時間雨量の記録を更新した地点が全国で20箇所を超えました。

●「爆弾低気圧」(受賞者:株式会社ウェザーニューズ/2012年)
急速に発達した温帯低気圧のことで、台風と似たような大雨と暴風をもたらします。台風と違い範囲が時々刻々と変化するため、進路だけではなく、その構造や低気圧の広がり方を予測することが重要になります。2012年4月に日本海で発生した爆弾低気圧が全国的な暴風雨の被害をもたらしました。

●「PM2.5」(受賞者:一般財団法人日本気象協会/2013年)
PM2.5とは、微小粒子状物質のこと。体内に吸い込まれると呼吸器系や循環器系に影響を与え、ぜんそくや肺がんなどのリスクを高めます。2013年に、中国でPM2.5が大量に発生していることが発覚。日本にも到達していたことから、ニュースでも大きく取り上げられ、日本と中国の国家間の問題にまで発展しました。

21世紀に入ってから多数選出

新語・流行語大賞は1984年に始まりましたが、こうして見ると、気象関連用語は21世紀に入ってからたびたび選ばれていることが分かります。私たちの生活に影響を及ぼす極端現象が増えたのはもちろんですが、減災のための気象研究が進んだことも一因でしょう。来年はどんな気象用語が生まれるのでしょうか。