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患者数は1000万人!? その不調「気象病」かも−その2

Vol.2気象病を検証した動物実験
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2017/11/22 18:05 ウェザーニュース

季節の変わり目の寒暖差や台風の通過など気象の影響で、めまいや頭痛、関節痛、手足のしびれなどを発症したり、症状が悪化することはありませんか? その不調は「気象病」かもしれません。(全3回)

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気象病を検証した動物実験

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天気と気分の密接な関係

心の状態を天気で言い表すことがある。「気が晴れる」「無念が晴れる」と言うかと思えば、「表情が曇る」「私の心は雨模様」と言ったりする。
総じて「晴れ」は爽快な気分を表し、天気が崩れた状態は気分がすぐれない状態を表している。多くの人は天気が気分に影響することを経験的に知っているからだ。それを動物実験で検証した研究がある。

うつ状態になったラット

実験動物のラットを強制的に泳がせると、やがて後ろ肢(あし)を動かさなくなる。しかし、抗うつ薬を投与すると回復することから、ラットは強制水泳でうつ状態になって後ろ肢を動かさないことがわかる。
この強制水泳を20hPa減圧した環境で行うと、通常の気圧で強制水泳を行ったラットに比べて、後ろ肢を動かさない時間が10〜60%延びた。つまり、気圧が下がるとうつ状態が悪化したのだ。

慢性的な痛みも低気圧で悪化

もうひとつ実験がある。ラットの後ろ肢に炎症を起こす薬剤を投与して関節炎を発症させると、ラットは痛みで、足上げ、足ふり、なめるなどの自発痛行動をする。通常の気圧のときと気圧を27hPa下げた場合を比較すると、低気圧の状態では強い痛みを感じていることがわかった。
また、気圧を徐々に下げると、1時間に5hPaという前線通過に伴う程度の気圧変化でも痛みが増すことが観察されたというのだ。


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