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インフルエンザ対策で忘れがちな室内環境
気をつけるべきポイントは?

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2017/11/08 15:53 ウェザーニュース

寒い北風が吹き始め、いよいよ冬が近づいてきています。これからの季節、流行しやすいのが風邪やインフルエンザです。
子どもがいったん感染すると、何日も幼稚園や保育園、学校を休まなければいけないため、親も大変。できるだけ予防したいところですよね。
それにしても、なぜ冬に風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのでしょうか。

寒さが乾燥に拍車をかける

その理由のひとつが、空気の乾燥です。

空気が乾燥しているということは、湿度が低いということです。一般的に、湿度と呼ばれるものは正確には「相対湿度」といいます。

相対湿度とは、空気中に含まれている水蒸気の量÷その気温の空気が含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)で計算できます。

この、飽和水蒸気量は、気温が高ければ高いほど大きい数字になります。つまり、気温が高いほど空気中にたくさんの水蒸気を含むことができるということです。よく、気温が高くて湿度が高い時は「蒸し暑い」、気温が高くて湿度が低い時は「カラッとした暑さ」と表現されますが、「蒸し寒い」という表現がないのはそのせいです。

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左は気温が低い時の相対湿度。右は気温が高い時の相対湿度。空気中に含まれる水分の量は同じでも、飽和水蒸気量が多くなると、相対湿度は低くなる。
冬になると、気温が下がります。気温が低いと空気が含むことのできる水蒸気の量が少なくなってしまいます。
エアコンなどでその空気をそのまま温めると、水蒸気が少ないまま気温が上がってしまうことになります。
すると、湿度が下がってしまうのです。

乾燥するとウィルスが舞いやすい

では、なぜ乾燥すると風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのでしょうか。
その理由は、風邪やインフルエンザを引き起こすウィルスは、湿度が低くなると空気中を浮遊しやすくなり、鼻や口に入りやすくなるからです。さらに、空気が乾燥すると、鼻や口の粘膜も乾燥して異物の侵入を防ぐ機能が弱まり、ウィルスが体内に入りやすくなるのです。

加湿と換気がポイント

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風邪やインフルエンザを予防するためには、加湿器を使って部屋の中の湿度をあげることが大切です。ただし、加湿器の使い過ぎは結露の原因になります。室内の湿度は50~60%になるように調節しましょう。
また、こまめな換気も心がけたいものです。室内の空気は、目には見えませんが咳やくしゃみなどでばらまかれたウィルスで汚れているからです。

子どもは特に、幼稚園や保育園、学校などで集団生活を送っているため、インフルエンザに感染しやすい状況にあります。帰宅したら手洗い・うがいを徹底し、混雑する場所に出かけるときは、なるべくマスクを着けるようにしたいものです。もちろん、予防接種を忘れずに済ませておくとさらに安心ですね。
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