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【多い?少ない?】来年の花粉予測が2社で分かれた理由とは

2017/10/04 16:34 ウェザーニュース

10月3日に発表された来春の花粉飛散予想。花粉症にお悩みの方の多くが気になっている、自分のエリアは花粉が多くなるのか?少なくなるのか?

この2択が予想を発表した2つの機関で真逆の結果になっています。

【関東】2社でほぼ逆の飛散予想

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上の図は10月3日(火)にウェザーニュースおよび日本気象協会から発表された、2018年春の花粉飛散予想を前年比で色分けしたマップです。

凡例の基準となる数字は違いますが、多いほど赤く、少ないほど青く、という凡例の表現はほぼ同じ。

特に関東エリアでは顕著に色が違います。

一言で言うと、ウェザーニュースは前年よりも『少ない』と予想しているところが多い、日本気象協会は前年よりも『多い』所が目立つ。
この違いが関東や東海、近畿を中心に示されています。(全ての都府県ではありません)

日本気象協会は東北190%、関東甲信160%、東海と近畿120%。一方、ウェザーニュースは、関東甲信43~77%、近畿54~89%など、各地で花粉は少なくなると見ています。

なぜ違う?⇒今夏の天候の見方が違うからです

ここまで両者の予想が食い違うのには理由があります。

予想の大きな根拠となるのが『飛散する前年の夏の天候』。ついこないだ過ぎ去った、今年の夏のことです。

スギやヒノキの雄花は夏に作られ、晴れて暑い夏になるほど多くなる傾向があります。ここまでの予想の根拠は両社で一致しています。

では、今年の夏を両社はどう見たのか。

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ご覧の通り、ウェザーニューズは東日本ほど天候不良&暑くない夏。気象協会は全国的に晴れて暑かった夏としています。(今年は記録的な長雨だったような…)

雄花の生育に適した天候だったか否か。

これが飛散予想の違いを分けているわけですが、それだけでなく、これまでの蓄積データによる傾向分析も重要になってきます。

※また実況値の計測方法の違いや、花粉の「表年」と「裏年」という要素も、予報の差異の要因だと考えられます。が、今回は割愛します。⇒「表年」「裏年」の話を含めた予想はこちらを御覧ください

蓄積されたビッグデータにも裏打ち

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ウェザーニューズでは一般の方、医療機関、企業学校などと協力して花粉対策に取り組むプロジェクトを実施しています。

毎年ご家庭や病院などにオリジナル花粉観測機「ポールンロボ」を設置、その数1,000か所。

さらに、全国の会員のみなさんから雄花の生育状況を写真で投稿してもらい、実況を把握しています。

この全国各地の観測網による取り組みは10年継続しており、その膨大なデータが飛散予想に天候分析だけではないエッセンスとして精度向上に貢献しています。

異なる情報をうまく活用して

天気予報だけでなく花粉の飛散予想でも複数の機関が発表するとなると、違いが出てきます。

この違いがどういうものなのかを知りつつ、各社の情報を活用して日々の生活や防災に役立ててほしいと思います。
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