facebook line twitter mail

これぞ木々の生き方! 落葉・紅葉に隠された秘密

2018/09/12 17:36 ウェザーニュース

秋といえばやはり紅葉の季節。赤や黄色と鮮やかな色で私たちを楽しませてくれます。

しかし、そんな木々たちが色づき、葉を落とすのは、生きるために必要不可欠なことでした。

生き残るための冬支度

秋に美しく紅葉する木は「落葉樹」と呼ばれています。

春から夏にかけては、たっぷり日差しを浴びることができるので、光合成を盛んに行い、成長するために必要な栄養をたくさん作ります。

しかし、秋になって日差しが弱くなると、光合成によって作られるエネルギーは激減。
「光合成によって得られるエネルギー<葉を緑色に維持するエネルギー」
という状態になってしまうのです。

そこで落葉樹は、余分なエネルギーをカットしようと葉に栄養や水分を送ることをやめます。
その代わり、枝や幹にエネルギーを蓄え、寒い冬を乗り越える準備をするのです。

葉の色が変わるのはなぜ?

栄養や水分が送られなくなった葉たちは光合成をやめるため、光合成に必要な葉緑素は分解されます。

徐々に緑色が失われ、今まで緑色のために見えていなかった「カロチノイド」というものが葉の表面にあらわれて、黃葉します。
イチョウやポプラはこの状態で落葉します。

カエデなど赤く色づくものは、葉の中で分解された葉緑素と残っていた栄養分である糖分が反応し、「アントシアニン」ができることで紅葉します。

⇒【次へ】なぜ紅葉する必要があるのか?

参考資料など

【参考・参照元】
国立科学博物館「「紅葉」・「黄葉」のしくみ」http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/theme.php?id=0001217205482884&p=2
森林総合研究所「紅葉のナゾ」https://www.ffpri.affrc.go.jp/snap/2012/10-kouyou.html