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2016年 台風10号を振り返る

2019/02/25 07:52 ウェザーニュース

一年前の今日、2016年8月30日、台風10号が岩手県大船渡市に上陸しました。東北や北海道の太平洋側では記録的な大雨となり、河川のはん濫や建物の浸水被害が発生、10名を超える犠牲者や行方不明者が出ました。

また、東北・北海道・秋田の各新幹線や多くの在来線の一部区間が運休し、高速道路や国道では通行止めが発生、仙台空港や新千歳空港発着の100便以上が欠航となるなど、大きな影響が出ました。

過去の災害を振り返り、減災につなげる「減災カレンダー」ではこの災害を取り上げます。

異例づくめの台風に

台風が東北の太平洋側に上陸したのは、気象庁が1951年に統計を取り始めて以来初めてのことで、北海道(道東)や岩手県、青森県など、大雨の経験が比較的少ない地域で記録的な大雨となりました。

この台風は本州の南海上で発生後、一旦南下してまた北上するという非常に稀な経路であったことや、日本付近で発生した台風としては11日と3時間という過去最長の寿命であったことなど、過去にはみられない特徴的な台風となりました。

【教訓】早期避難で救われる命

様々な種類の事例を見ても、重要なのはやはり「早期の避難」です。

ただ、経験したことのない事態に遭遇するとパニックになり、避難が遅れることがあります。
そんな時でも冷静に動けるよう、秋田や釜石の方々のように、事前に取るべき行動を決めておくことが大切です。

また、台風・集中豪雨・地震などで注意報や勧告が発令された時、「大したことはないだろう、きっと空振り」と自身で判断するのは危険を伴います。

どんな時も発令されたらすぐに避難するという癖をつけてください。
早め早めの行動で救われる命があります。