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2014年 広島土砂災害を振り返る

2017/08/20 05:12 ウェザーニュース

2014年8月19日夜から20日未明にかけて広島市では1時間に100mmを超える非常に激しい雨が降り、市内の安佐南区、安佐北区などで同時多発的に大規模な土石流が発生。

両区の被災地域での死者は74人、重軽傷者は44人に上り、土砂災害による人的被害としては過去30年間の日本で最多の被害となりました。

過去の災害を振り返り、減災につなげる「減災カレンダー」ではこの災害を取り上げます。

引き金はバックビルディング現象

当時、前線に向かって南西からの湿った空気と南からの湿った空気が九州・四国間の豊後(ぶんご)水道でぶつかり、広島方面で活発な雨雲が発生しました。
さらに同じ場所の上空に次から次へ積乱雲が作り続けられる『バックビルディング現象』によって、局地的に記録的な集中豪雨をもたらしました。

土砂災害が発生する直前の広島市安佐北区三入東の雨量は、20日午前2~3時に90mm、午前3~4時に121mmの雨が降っており、土砂災害発生時には1時間に100mm前後の猛烈な雨が観測されていたことから、
1時間100mmレベルの短時間強雨が今回の土砂災害の土砂災害の要因の1つと分析しています。

【教訓】土砂災害を左右する地質

広島県の山地に多い広島花こう岩。

この広島花こう岩は、長い間、雨や風にさらされると『マサ土』と呼ばれる砂のような土に変化していきます。この『マサ土』が、水を含むと非常にもろくて崩れやすい性質を持っています。

1時間の雨量が100mmに達するような強雨の際は、崩れやすい地質の地域では特に土砂災害のリスクが高くなります。

これらのことから、土砂災害による被害を少なくするためには、暮らしている地域の地形や地質を把握するとともに、雨の強さにも十分注意する必要があります。

こんな兆候は危険

危険な兆候に遭遇したら、すぐに斜面から離れ、できるだけ丈夫な建物の2階以上の安全な場所へ避難して下さい。
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