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9月前半は台風の発生ピーク、今後の傾向と注意点

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2017/09/08 20:28 ウェザーニュース

7月下旬以降、台風の発生が相次ぎ、8月の台風存在日数は歴代2位を記録しました。いよいよ台風シーズン本番、今後の傾向と注意点をみていきましょう。

今シーズンの予想発生数は27個程度(ほぼ平年並)

台風の発生数は、台風発生域の海水温や対流活動などの影響で増減します。今年の予想発生数は下記3つの理由から「ほぼ平年並(27個程度)」とみています。

<3つの理由>
その1:発生海域の高温
    →台風が発生しやすい
その2:9月前半にかけては対流活動が活発な時期、後半は不活発な時期
    →台風の発生数は平年並
その3:エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生なし

その1:発生海域の高温

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9月以降も台風発生域であるフィリピンの東は海面水温が平年より高い予想。海面水温が高いほど台風のもととなる大気中の水蒸気量が多くなり、台風が発生しやすくなります。

その2:対流活動が不活発

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一方、「マッデン−ジュリアン振動」の周期では、台風発生域の対流活動は9月前半にかけては対流活発な時期、後半は不活発な時期となる予想です。このため台風の発生のピークは9月前半といえそうです。

・「マッデン−ジュリアン振動」とは
赤道域では対流活動の活発な領域が東へ移動し、30〜60日かけて地球を一周します。この現象はマッデンとジュリアンによって発見されたことから、「マッデン−ジュリアン振動 (MJO: Madden Julian Oscillation)」と呼ばれています。対流活動が活発なエリアの動向は、台風の発生傾向を知る手がかりとなります。

その3:エルニーニョ/ラニーニャ現象

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エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生しない 

現在、エルニーニョ/ラニーニャ現象が発生していない中立の状態です。今後、冬にかけて中立の状態が続く予想。目立った傾向がなく、平年と比べた場合、台風の発生数には大きく影響を及ぼさない見込みです。

秋雨前線にも注意

今年の台風発生数はほぼ平年並(約27個程度)の予想。9月は既に2つの台風が発生していますが、これまでに発生した数を差し引くと、今後あと10個前後発生する可能性があります。

9月は秋雨前線の影響も加わり、過去に記録的な災害が多く発生しています。また、台風が本州に接近・上陸しやすい時期でもあります。最新情報をチェックして、しっかり対策してください。

参考資料など

気象庁(海面水温予想図):http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/ocean/forecast/sst3.html
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