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AIとビッグデータでゲリラ豪雨をパトロール
「ゲリラ雷雨防衛隊」の活動とは?

2017/09/06 13:05 ウェザーニュース

夏に突然襲い掛かるゲリラ豪雨。

急な大雨は日常生活に支障が出るだけでなく、大きな災害も招くため、事前に通知してくれるサービスは防災・減災につながる大きな意味があります。

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というのも、ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲(雷雲、入道雲)は、半径が十数km程度と小さく、急に発達していきなり大雨を降らせるからです。

このような狭い範囲で急に起こる現象については、コンピューターで計算して予測を行おうとすると、計算が終わるころには積乱雲が消えてしまうことも珍しくありません。

それでも、なんとか事前に予報できるように、さまざまな研究機関によって研究が行われていますが、なかなか実用化には至っていません。

そのような状況の中で、ウェザーニューズだけが約1時間前にゲリラ豪雨が発生するという通知を出せるのには秘密があります。

それが、「ゲリラ雷雨防衛隊」による「ゲリラ雷雨リポート」の存在です。

全国有志による報告が、ゲリラ豪雨予報を可能にする

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リポート画面。雲にスマートフォンを向けると、その雲がゲリラ豪雨をもたらす雲なのかどうかが解析されます。
ゲリラ雷雨防衛隊とは、ウェザーニュース・タッチのゲリラ雷雨.Chで「ゲリラ雷雨防衛隊に入隊する」のボタンを押せば、誰でもなれます。

ゲリラ雷雨リポートはとても簡単。

自分のいる位置から見える雲を撮影し、どんな色か、雨は降っているかなどの項目に答えてリポートを送信すればOKです。

送信後画面には、ウェザーニューズから自分のいる場所は今後ゲリラ豪雨が発生しやすいかどうかの判定結果も表示されます。

このリポート結果が、「ゲリラ雷雨危険度マップ」に反映されます。

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このリポートをコンピューターで解析し、ウェザーニューズ予報センターにある「ゲリラ雷雨防衛隊本部」の気象予報士が、「ゲリラ雷雨危険度マップ」に反映、危険度を判断。

約1時間以内にゲリラ豪雨が発生しそうであれば、通知サービス「ゲリラ雷雨アラーム」に登録しているユーザーへ、注意喚起の通知が配信されます。

ちなみに今年は、ゲリラ雷雨リポートを送ると、雲の頂上の高さや雲までの距離もわかるようになるため、今いる場所のゲリラ豪雨は降る可能性が高いのかどうかも、もっと詳しくわかるようになる予定だとか。

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※リポートを送った後の画面。今いる場所でゲリラ豪雨が発生しそうかどうかが分かります。
しかし、不思議なのは撮影した雲の発達度合いや、雲の色や形、雲の方向や雲の発達レベルがなぜ自動的にわかるのかということです。

ウェザーニューズのトランスメディアコンテンツ事業部の若狭洋平さんによると、スマートフォンに搭載されているジャイロというセンサーがそれらを可能にしたといいます。

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ウェザーニューズ トランスメディアコンテンツ事業部 若狭洋平さん
「写真を撮るときのスマートフォンの向きや傾きで、方位や距離を解析しています。なぜ、真上にある雲を真上だと認識できるのかというと、スマートフォンのカメラの仰角が60度以上の場合は雲が真上にあると判断しているからです。」

「雲が遠くにある場合は雲の形で、雲が真上にある場合は、雲の色がどのくらい黒っぽいかで発達度合いを判定します」

なお、リポートは、雲ひとつない青空を送ってもOK。安全だということを伝えるのも、防衛隊の大事な役割なのです。

このような防衛隊から届く、たくさんのリポートのおかげで、ゲリラ豪雨の予報の精度は年々向上しています。

防衛隊員が予報精度に貢献

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特にアラームのサービスについては、サービス開始当初は、ゲリラ豪雨が発生する10数分前にしか通知できなかったのが、去年は約1時間前には通知できるようになりました。

企画が発足した当初の防衛隊は1万人程度でしたが、年々増え続け、昨年は10万人。投稿は1日平均1.5~2万件で、ゲリラ豪雨のシーズン全体で50万通が届きます。

これだけの情報が、ゲリラ豪雨の予報精度を上げているのです。

サービス開始から10年。

ますます進化するゲリラ雷雨.Chには、防衛隊の力が不可欠です。

皆さんもちょっとしたアクションで、人々をゲリラ豪雨の脅威から救う手助けをしてみませんか?
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