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【台風5号】歴代3位の長寿を1分の衛星動画で振り返る

2017/08/09 18:05 ウェザーニュース

迷走に迷走を続けた台風5号。この台風の一生を1分の解説動画にまとめました。

こう見てみると、進路に迷いながら、活発になったり・意気消沈しそうになったり、台風に意志があるように感じざるをえません。

発生から消滅までの期間が「18日18時間」は歴代3位の長寿となった台風5号。

今朝消滅したものの、残骸の湿った空気と風によるフェーン現象、そして強い日差しにより、関東などで厳しい暑さとなっています。

11時14分には東京で36.4℃を記録。午前中から猛暑日となっています。
台風5号が最後に残した置き土産…熱中症に厳重警戒が必要です。

>>【東京】早くも36℃突破、熱中症に要警戒

気象予報士による解説

以下は動画には入り切らなかった、気象予報士によるマニアックな解説になります。お時間がある時にどうぞ。

◆7月20日9時
熱帯低気圧を取り巻く積乱雲が少しずつ円形にまとまり始めた。

◆7月21日9時
この積乱雲が丸くなった。これは台風の中心を取り巻くスパイラルバンド(台風本体の丸い雲)で、台風5号ノルーの誕生である。
その後、台風は急速な発達により、目が急激にでき始めた。ただ、勢力はまだ強くないため、目は出たり消えたりする状態が続いた。

◆7月26日
乾燥した空気が入ったため、台風の中心を取り巻く積乱雲は蒸発して消滅し、台風の中心付近の雲はばらけた状態となった。
28日にかけて、台風本体の雲もかなり縮小した。

◆7月29日~30日
ところが、海面温度の高い領域に入り始めたら、大量の水蒸気の供給が始まり、29日~30日はみるみる内に積乱雲の集団が拡大。台風の勢力を表す丸みの帯びた白い雲が明瞭化し、台風の目も急激に開いてきた。

◆7月31日
台風の目がくっきりとした円となり、最盛期を迎えた。

◆8月2日
早くも台風の中心付近の雲は崩れ始め、最盛期を過ぎた感じが出てきた。その後、少しずつ弱まり、6日には目が不明瞭になる程、弱まってきた。

◆8月7日
和歌山県北部に上陸した後は、海からの水蒸気の供給が途絶えたため、台風の中心の丸い雲を作る積乱雲の集団がみるみる内に消滅していった。そして、とどめは中部山岳(日本アルプス)。中部山岳にぶつかり、中心付近の積乱雲の集団は大きく崩れ、白く輝く雲は少なくなった。

◆8月9日3時
東北の日本海沖で台風5号ノルーは温帯低気圧に変わり、18日と18時間の一生を終えた。


現時点では新たな台風が発生する予想はありませんが、まだまだ台風シーズンは続きます。次の台風に備え、今から出来る対策を準備していきましょう。
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