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台風直撃エリアで想定される被害【東日本編】

2017/08/01 21:26 ウェザーニュース

台風5号が東日本に直撃した場合に想定される被害はどのようなものがあるでしょうか?

強さを保ったまま、東日本を直撃した2011年の台風15号の影響から推測してみます。

【豪雨による川の氾濫や浸水】

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大量の雨水が駅構内に 流れ込み、胸の高さまで浸水。(JR高蔵寺駅が浸水(愛知県春日井市))
台風15号が上陸する前日、愛知県から岐阜県にかけて、24時間で200mmを超える大雨となりました。岐阜県多治見市では平年の年間降水量の5分の1以上の雨が1日にして降りました。
この大雨により、駅の構内に水が流れ込んだり、庄内川の一部が氾濫するなどし、一時、100万人超の住民に対して避難勧告が出されました。

台風の接近前から激しい雨の恐れあります。浸水に備えて土嚢を用意したり、いざという時の避難の経路の確認をしておくと安心です。

【暴風による建物被害や交通障害、大停電】

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左:天井板が落下した商店(静岡県牧之原市) 右:トタンの囲いが強風で破壊(東京都八王子市)
台風が上陸した浜松市では 最大瞬間風速36.8m/s、御前崎は 45.1m/sを記録。倒木や家屋損壊が 相次ぎました。
また、台風は上陸後も勢力を あまり弱めず、中心付近では、 暴風が吹き荒れ、東京都八王子 市は最大瞬間風速43.1m/sを記録。
交通機関が大きく乱れ、特に鉄道は、首都圏で一時ほぼ全域で運転見合わせとなるなど、非常に大きな影響が出ました。
さらに、関東・東海地方を中心に広範囲で停電や通信障害が発生。停電については80万戸以上が長期間の影響を受けました。

交通へは、雨よりも風のほうが影響が大きくなる傾向があります。暴風域・強風域に入るエリアではスケジュール調整も念頭に置いたほうがよさそうです。
また、倒木や飛来物で電線が断線するなど、停電の被害も考えられます。ろうそくやランタンを用意するなど、停電への備えも忘れないようにしてください。

【東日本大震災の被災地で冠水・浸水】

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震災以降、大雨が降ると冠水するようになった道路
東日本大震災の被災地である東北地方太平洋側でも、秋雨前線の停滞や台風の縦断により大雨となり、宮城県石巻市雄勝町では1日の総雨量が観測史上1位となる430.5ミリを記録。仙台市でも総雨量が 235mmを記録。平年の年間降水量 の約5分の1の雨が一日で降りました。
これによって、冠水や浸水被害が多数発生。地震で地盤沈下していたことに加え、台風接近時刻と満潮時刻が重なり、高潮が発生したことも影響しました。

沿岸の低くなっている所では、高潮にも注意が必要です。
あらかじめ、満潮時間と接近時刻にもご留意ください。

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