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次の“国内観測史上最高気温”はどこか?(2)

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2017/07/21 23:38 ウェザーニュース

※こちらの記事はウェザーニュースの月刊デジタルマガジン「月刊SORA」に掲載中の記事を一部編集してご紹介しています。

江川崎はなぜ観測史上最高に?

2013年8月12日、江川崎(高知県四万十市)が国内観測史上最高気温の41.0℃を記録し、人口約1600人の江川崎地域には報道陣が駆けつけた。一躍全国に名を知られるようになった江川崎では、「日本一暑い江川崎」の看板を設置するなど「日本一の称号」を地域活性化につなげようと取り組んでいる。

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「日本一暑い江川崎」の顔出し看板写真:時事
江川崎が日本記録を更新した理由はいくつかある。江川崎は四万十川の中流域で、盆地状地形にある。涼しい海風が届きにくく、周辺地形に遮られて風が弱いため気温が上昇しやすい。
また、上空850hPa(高度約1500m)には夏なら通常19℃の空気が入っていたが、当日は3℃高い22℃になっていたことも、江川崎の気温を押し上げる要因になっていた。

芝生が剥げていたから最高記録?

江川崎が歴代最高気温になったことで、熊谷の住民から、「アメダス基地の芝生が剥げていたから高温になったのでは?」といった突っ込みが入ったが、記録はくつがえらなかった。

記録更新はズバリ、このエリアだ!?

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40℃以上を記録した18地点

上は40℃以上を記録した地点だ。東北、関東、中部、近畿、四国に18地点ある。九州にないのは、たんに緯度が低いと気温が高くなるのではなく、地形などが気温上昇に影響するからだ。

また、地図を見るとわかるように、海沿いは酒田(山形県)と宇和島(愛媛県)の2ヵ所のみ。圧倒的に内陸が多い。

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40℃超えが複数の県

40℃超え地点の18ヵ所を県別に見ると、3ヵ所が群馬県(前橋、館林、上里見)、2ヵ所が埼玉県(熊谷、越谷)、山形県(山形、酒田)、岐阜県(多治見、美濃)、山梨県(甲府、勝沼)、静岡県(天竜、佐久間)の6県ある。

地図で見ると、愛知県の愛西は岐阜県の多治見と美濃に近く、高知県の江川崎と愛媛県の宇和島が近いことがわかる。江川崎は突然歴代最高気温を出したわけではないのだ。

ここが次の“観測史上最高気温”候補!

地球の平均気温が年々上昇しているのだから、日本の観測史上最高気温が更新されるのは時間の問題だろう。それはどこか?

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41℃超えが想定されるのは、やはり過去に40℃を超えたエリアになるだろう。上の地図で赤い影をつけたエリアだ。
ちなみに、気象庁の3ヵ月予報(6月23日発表)によると、7月と8月の気温は全国的に平年より高い確率50%(平年並み30%、低い20%)とされる。

今年、最高気温を更新すれば4年ぶり。大きなニュースとなり、話題になることは間違いない。赤いエリアに大注目しよう!
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