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梅雨入りとの違いは?暦に書かれた入梅の意味

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2017/06/11 04:56 ウェザーニュース

6月11日は、雑節の一つ「入梅(にゅうばい)」。今のカレンダーにはあまり書かれていないかもしれませんが、毎年6月11日頃は暦上の梅雨入りということで、入梅と記載されています。

「暦上の梅雨入りって普通の梅雨入りとは違うの?」

そうなんです!そこで今回は、入梅についてご紹介します。

雑節とは

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まず最初に、冒頭で出てきた「雑節」について説明します。

雑節とは、二十四節気・五節句以外の季節の節目となる日のことです。
農業に従事する人々は、二十四節気では十分に季節の変化を読み取れなかったため、その補助として日本独自の暦を作りました。

皆さんにも馴染みのある節分やお彼岸も雑節の一つです。

梅雨入りと入梅の違い

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では、本題の梅雨入りと入梅の違いを見ていきます。

テレビなどでよく聞く「梅雨入り」は、梅雨前線の存在が鍵となります。前線しだいで梅雨入りは平年より早まったり、大幅に遅くなったりするため、この日から梅雨入りします!と正確に予想するのは非常に困難です。

対して「入梅」は、先程も紹介した通り暦の一つ。黄経が80°に達する日が入梅と明確に決まっているので、毎年11日もしくは10日になります。
入梅の場合、天体の運行によって設定されるので、天気は関係ありません。
ここが梅雨入りと入梅の1番の違いです。

入梅はなんのため?

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ウェザーニュース会員「はせぴょんさん」から届いた田植え前の苗の写真
「天気が関係ないなら入梅って何の意味があるの?」
確かに、今はあまり重要視されていないので、ピンとこないかもしれませんね。

昔は田植えの日取りを決める上で、梅雨の時期を知ることは非常に重要でした。
というのも、田んぼに貯める大量の水や、稲を生長させるための水はすべて雨の水を頼りにしていたからです。
そのため、毎日のように雨が降る梅雨に合わせて田植えを行う必要がありました。

しかし、今のように精度の高い天気予報は昔からあったわけではありません。
そこで、農家の方たちは目安として入梅を設定したのです。

まとめ

・「梅雨入り」は、天気と密接に関係しており、梅雨前線の状態によって早まったり遅れたりする。
・入梅は暦上の梅雨入りであり、天気とは関係ない。
・入梅は、田植えの日取りを決める目安として使われていた。

暦上の梅雨入りである入梅は、一見すると現代の私たちには関係ないようにも思えます。
テレビを見ていれば、「◯◯地方が梅雨入り!今後は長雨の季節となります」と丁寧に教えてくれますから。

ただ、気象庁のホームページに載っている梅雨入りの平年値を見てみると、特に東日本は入梅(6月11日頃)とあまり差がありません。

ということは、私たちも一つの目安として暦上の梅雨入り「入梅」を意識してみても良いかもしれませんね。

参考資料など

【参照・参考元】
気象庁「平成29年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/sokuhou_baiu.html
NHK放送 文化研究所「梅雨入り」(つゆいり)と「入梅」(にゅうばい)」https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/019.html
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