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【インタビュー】ゼロから30万匹に
光が飛び交う奇跡の川

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2017/05/30 05:19 ウェザーニュース

5月下旬、西日本を中心にホタルが飛来する季節がやってきました。

一方で鑑賞会を中止するところや、気象台が生物観測の廃止危機に陥るなど、生息数の減少による影響ばかりがニュースでは取り上げられています。

各地の生息地で同じような状況なのか、というとそうでもないようです。

今回、ウェザーニュースでは西日本各地でホタルの光を映像に捉えるチャレンジを致しましたが、その中で愛媛県の伊予中山で、長年ホタルを守ってきた峯岡安則さんに状況を伺ってみました。

ホタルを守って30年

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伊予中山ホタル保存会の峯岡安則会長
ダブルピースと素敵な笑顔がチャーミングな、伊予中山ホタル保存会の峯岡安則会長。ヘルメットに乗っているのはワンポイントにしては大きすぎるホタルの模型です。。。

峯岡さんはホタルに関わり30年。
30年前は中山町にホタルはほとんどいなかったそうです。
見つけたホタルを保護し、繁殖させ、30年をかけて少しずつ増やしていきました。
そして現在はなんと最低30万匹のホタルが町全体として楽しめるそうです。

水がキレイだと良いわけではない

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伊予中山町の手書きマップ
中山町には中山川、藤郷川、栗田川と合計3本の川があり、ホタルが生息している距離はのべ30kmにものぼります。

1mに最低3匹ほどの計算で30万匹としているが、実際はもっとホタル密度は濃い可能性があるとのこと。

ホタルは水がきれい過ぎても定着しないそうで、理由は綺麗すぎると水温が低く、ゲンジボタルの餌のカワニナが生息できないそう。

そのため、多少汚いくらいのほうが富栄養化して水温が低すぎず、カワニナも育つ環境だなのだとか。

きれいな清流が良いかというとそうでもないんですね。

観光地として整備しようとしても

また、川の流れが早いところだと幼虫が流されてしまって定着しないそうです。

見た目が悪い場所をなんとか観光地に!ということで、砂防ダム付近に川を整備しホタル観賞の観光地化を目指す人たちも多いのですが、そもそもこういった場所は鉄砲水が発生しやすく、川の流れは早くなってしまうので、ホタルは定着しないそうなんです。

それでも何千万〜何億もかけ川を整備しようとする人もいる。ただ、ほぼほぼ失敗するとのこと。

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ゲンジボタルのオス(左)とメス(右)
メスのほうが大きくどちらもお尻が光る
峯岡さんのお話からは、単に川の良し悪しだけがクローズアップされがちだが、それだけではなくてホタルが住みやすい環境を”理解して、守って”やれるかが大切なんだということが伝わってきました。

最後にこの日の夜に撮影した、小川を飛び交うホタルの光をご覧ください。


今回のお話を聞いた後だと、ホタルたちが気持ちよく舞っているように見えます。
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