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3人に1人が震災後に知った
「津波てんでんこ」の本質

─減災調査2017
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2017/03/11 04:59 ウェザーニュース

知っている人は3人に1人。 津波が発生した際の教訓として語り継がれているという、この言葉の本当の意味とは。

津波てんでんことは

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地震があったら家族のことさえ気にせず、自分の命を守るために、てんでんばらばらに直ぐに避難せよ

これが津波からの避難についてのメッセージが込められた、「津波てんでんこ」の意味です。

言葉自体は、1990年11月に岩手県下閉伊郡田老町(現・宮古市)にて開催された第1回「全国沿岸市町村津波サミット」において、生まれました。同様の意味で東北の三陸地方で昔から伝えられてきた「津波起きたら命てんでんこだ」に由来する「命てんでんこ」があります。

東日本大震災以後、津波の教訓として、この言葉がメディアで紹介されてきましたが、実際の所知っている人はどれくらいいるのかウェザーニュース会員に伺ってみました。

3人に1人が震災後に知った

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全国の集計で見ると、言葉自体を聞いたことがあるのは半数。その中で意味を知っているのは4割ほどでした。

さらに、知ったタイミングでみると震災後に知った人は33%。3人に1人ということになります。

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ただし認知度には地域差があり、やはり東北地方太平洋側が高い傾向です。

特に言葉の方言元である岩手県は認知度が9割。宮城県も次いで多くの人が知っています。

また、津波に関するサミットなどの活動が盛んに行われている、高知県でも高い認知度を示しました。

標語としてはシンプルで短いこの言葉。次のような津波の避難行動の大前提が込められていると言われています。

言葉に込められたもの

その1
津波から逃げる方法を知っている

どこへ逃げるのか?(場所)
どう逃げるのか?(手段)
いつ逃げるのか?(きっかけ)
を頭に入れていること。

その2
大事な人を信じて逃げる

お互いが津波から逃げる方法を身につけていて、必ず行動に移していると信じる。
安否が確認できなくても、安全が確認できた後で出会う手段を決めている。

2つの大前提を要約すると、「津波てんでんこ」という言葉は、
・バラバラに逃げるという行動をするにあたり
・いざという時の”一瞬の判断”ができるようにしておく
・それが、ひとりひとりの命を助けることにつながる
ということだと思います。

とはいえ日頃から、これらの教えを話し合ったり、イメージするのは難しいですよね。だからこそ、3月11日の節目を考える機会として大切にしてもらいたいと思います。
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