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春一番は意外に恐い!その威力や危険性とは?

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2017/02/16 15:14 ウェザーニュース

2月15日は春一番名付けの日ってご存知でしたか?「春一番」という言葉が新聞で初出しされたことに由来するそうです。
春一番が吹けば、春ももうすぐ。そう考えると嬉しいようにも思えますが、春を告げる風はそう甘くないようです。

そこで今回は、言葉のイメージとポカポカ陽気にだまされてはいけない!?春一番の危険性などについてご紹介します。

春一番は災害を引き起こす?

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「春」という言葉からは暖かく、柔らかな雰囲気を感じられますが、「春一番」となると話は違います。
実は春一番は、災害発生のリスクを伴っています。

春一番が吹くと気温が上がり、ポカポカと過ごしやすい陽気になります。
「じゃあ屋外レジャーには、もってこいだね!」と思うかもしれませんが、気温の上昇は雪崩を誘発することもあり、冬山登山やスキーを楽しむ方が巻き込まれてしまう危険性があります。

さらに、凄まじい春一番で海がしけて船が転覆したり、突風によって釣り人が海中へ転落するといった事故も起こりやすくなります。この時期は関東や関西で船釣りが盛んになるので、十分な注意が必要です。

また、乾燥した風が強く吹き付ける春一番は、小さな火を大火災にまで発展させてしまう恐れがあるのです。

春二番ならぬ、春の嵐シーズンに注意!

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この時期は、日本付近で低気圧が急速に発達するので、春一番はもちろん、春の嵐にも注意が必要です。
そもそも、日本列島を通過する低気圧には、日本海を通るものと日本の南岸を通るものがあります。

発達した低気圧が日本海を通る時は、北に位置する低気圧に向かって風が吹きこむため、全国的に暖かい南風が強く吹きやすくなります。春一番が吹く時もこのような場合です。
低気圧が日本海を通過した翌日は、西高東低の冬型の気圧配置となって寒さがぶり返すことも多いので、寒暖の差にも気をつけなければなりません。

一方、低気圧が日本の南岸を通過する時は、全国的に強い雨や雪が降りやすく、北からの冷たい空気が流れ込むため、太平洋側でも雨ではなく雪になることがしばしば。
雨や雪はこの低気圧が日本の南岸に近い場所を通過するほど多くなりやすく、特に三陸沖や日本の東の海上で急速に発達すると、北日本に暴風雨や暴風雪をもたらすこともあります。

3月~5月にかけては、春の嵐シーズンとなりますので、十分ご注意ください。

言葉のイメージとは裏腹に…

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あんなさん(神奈川県)
春一番は、新しい季節の訪れを告げる一方で、非常に危険な面も持ち合わせています。
強い突風に見舞われると、予期せぬ事故を引き起こすこともあります。
この時期は、天気や気温だけではなく、風がどこでどんなふうに吹くかもあわせて確認しておくと良いかもしれません。

参考資料など
【参考・参照元】
気象の事典(東京堂出版)
日常の気象事典(東京堂出版)
日本大歳時記(講談社)
気象庁HP「春一番について」https://web.archive.org/web/20130328223124/https://www.jma.go.jp/jma/kishou/jma-magazine/0302/index.html
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