情緒あふれる春の風
俳句や和歌にもよく出てくる「東風」は”こち”と読みます。
東風を使った有名な和歌には以下の様なものがあります。
【東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)】
これは菅原道真が大宰府に左遷される時、自宅の梅を見ながら詠んだものです。
東風が吹いたなら、その香りを遠く離れた私のもとまで届けておくれ、梅の花よ。たとえ私がいなくなったとしても、春を忘れてはいけないよ…という意味です。
春を感じさせる一方で、肌にあたるとまだ冷たさも残る東風。傷心した道真にとっては、切なさを誘う風だったのかもしれません。
東風を使った有名な和歌には以下の様なものがあります。
【東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)】
これは菅原道真が大宰府に左遷される時、自宅の梅を見ながら詠んだものです。
東風が吹いたなら、その香りを遠く離れた私のもとまで届けておくれ、梅の花よ。たとえ私がいなくなったとしても、春を忘れてはいけないよ…という意味です。
春を感じさせる一方で、肌にあたるとまだ冷たさも残る東風。傷心した道真にとっては、切なさを誘う風だったのかもしれません。
その時吹いていた風は…?
東風は吹く時期や時間帯、強さによって様々な名前に変化します。
・初東風
※新年最初の東風。節東風ともいう
・朝東風
・夕東風
・梅東風
・桜東風
・強東風
・荒東風
・雨東風
・雲雀(ひばり)東風
・鰆(さわら)東風
・いなだ東風
※いなだはぶりの幼魚
同じ風のはずなのに、その時どんな花が咲いていたか、どんな強さだったか、いつ吹いていたのかによって、個性をつけるところに日本人のセンスを感じますね。
・初東風
※新年最初の東風。節東風ともいう
・朝東風
・夕東風
・梅東風
・桜東風
・強東風
・荒東風
・雨東風
・雲雀(ひばり)東風
・鰆(さわら)東風
・いなだ東風
※いなだはぶりの幼魚
同じ風のはずなのに、その時どんな花が咲いていたか、どんな強さだったか、いつ吹いていたのかによって、個性をつけるところに日本人のセンスを感じますね。
東風にまつわるおまけの話
東風という単語を見た時に「馬耳東風」という四字熟語を思い浮かべた方はいませんか?
「馬耳東風」は、他人の意見を心に留めようともしないという意味ですが、暖かな春の風とどういう関係があるのでしょう。
東風は先程も説明したとおり、春のおとずれを感じさせる風。厳しい冬から暖かな春に季節が移り変わる時、小さな喜びを感じる人も多いはず。
やっと春が来る♪とウキウキしている一方、馬は自分の耳をなでる春の風に感動を覚えることはありません。東風も普通の風として受け流します。
そんな様子から、人の意見や批評を聞き流すという意味の馬耳東風という言葉が生まれたようです。
「馬耳東風」は、他人の意見を心に留めようともしないという意味ですが、暖かな春の風とどういう関係があるのでしょう。
東風は先程も説明したとおり、春のおとずれを感じさせる風。厳しい冬から暖かな春に季節が移り変わる時、小さな喜びを感じる人も多いはず。
やっと春が来る♪とウキウキしている一方、馬は自分の耳をなでる春の風に感動を覚えることはありません。東風も普通の風として受け流します。
そんな様子から、人の意見や批評を聞き流すという意味の馬耳東風という言葉が生まれたようです。
東風は天気にも関係していた?!
皆さんは「東風吹けば雨」ということわざがあるのをご存知でしょうか。
実は、東風は雨の前触れと言われています。
図のように、雨を降らせる低気圧が西から日本に近づいてくると、気圧の高い東から、気圧の低い西へと風が吹いていきます。これが東風です。
低気圧が東寄りの暖かい風を巻き込みながら進んでいくと、雨が降っていなかった地域でも、次第に雨が降り出します。
そこから、東風は雨の前触れと言われるようになりました。
天気的な見方すると、あまり好ましくないようにも思えますが、新たな季節の始まりという暦的な見方をすると、待ち遠しくも感じますね。
春にはまだ少し早いですが、東風がどんな風なのか、ぜひ肌で感じてみてはいかがでしょうか。
実は、東風は雨の前触れと言われています。
図のように、雨を降らせる低気圧が西から日本に近づいてくると、気圧の高い東から、気圧の低い西へと風が吹いていきます。これが東風です。
低気圧が東寄りの暖かい風を巻き込みながら進んでいくと、雨が降っていなかった地域でも、次第に雨が降り出します。
そこから、東風は雨の前触れと言われるようになりました。
天気的な見方すると、あまり好ましくないようにも思えますが、新たな季節の始まりという暦的な見方をすると、待ち遠しくも感じますね。
春にはまだ少し早いですが、東風がどんな風なのか、ぜひ肌で感じてみてはいかがでしょうか。
おさらい七十二候
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
次回は立春の次候、「黄鴬睍睆(うぐいすなく)」についてご紹介します。
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
次回は立春の次候、「黄鴬睍睆(うぐいすなく)」についてご紹介します。
参考資料など
【参照・参考元】
季語めぐり〜俳句歳時記〜「東風」https://haiku-kigo.com/article/141159902.html
ことわざ学習室「東風吹かば、匂いおこせよ、梅の花、主無しとて、春を忘るな」https://kotowaza.avaloky.com/pv_senyo02.html
暦生活「立春」https://www.543life.com/season-rissyun.html
住まいと生活の視点から。『びお』「東風解凍・はるかぜこおりをとく」https://www.bionet.jp/2009/02/bio72_01/
語源由来辞典「馬耳東風(ばじとうふう)」https://gogen-allguide.com/ha/bajitoufuu.html
manapedia「大鏡『菅原道真の左遷(東風吹かば)』のわかりやすい現代語訳」https://manapedia.jp/text/3501
気象予報士 荒木真理子の空が泣いた、笑った「東風吹かば・・・傘の準備を 春の空」https://www.tv-asahi.co.jp/reading/weather_araki/30896/
天気のことわざ | 天気俚諺・観天望気「東風吹けば雨」https://econeco.sakura.ne.jp/kotowaza/2013/04/post-59.html
季語めぐり〜俳句歳時記〜「東風」https://haiku-kigo.com/article/141159902.html
ことわざ学習室「東風吹かば、匂いおこせよ、梅の花、主無しとて、春を忘るな」https://kotowaza.avaloky.com/pv_senyo02.html
暦生活「立春」https://www.543life.com/season-rissyun.html
住まいと生活の視点から。『びお』「東風解凍・はるかぜこおりをとく」https://www.bionet.jp/2009/02/bio72_01/
語源由来辞典「馬耳東風(ばじとうふう)」https://gogen-allguide.com/ha/bajitoufuu.html
manapedia「大鏡『菅原道真の左遷(東風吹かば)』のわかりやすい現代語訳」https://manapedia.jp/text/3501
気象予報士 荒木真理子の空が泣いた、笑った「東風吹かば・・・傘の準備を 春の空」https://www.tv-asahi.co.jp/reading/weather_araki/30896/
天気のことわざ | 天気俚諺・観天望気「東風吹けば雨」https://econeco.sakura.ne.jp/kotowaza/2013/04/post-59.html