火山噴火から身を守るための術とは?

季節を問わずに起こりうる自然現象のひとつに、火山の噴火があります。この火山の仕組みと、火山噴火から見を守るための術について解説していきます。

火山噴火は様々な現象を引き起こす

火山が噴火すると、それに伴っていくつもの危険な現象が起こることもあります。

1.溶岩の流出
溶岩が通るとその高い温度によって建物や道路、田畑等は全て焼失します。

2.噴石
噴石は噴火によって火口からふき飛ばされた岩石などの噴出物のことで、火口から数キロメートル離れた場所まで飛ばされることもあり、広い範囲で被害を与えます。

3.火砕流
火砕流は高温の火山灰や岩石、火山ガス、空気、水蒸気が一体となって山を流れ下りるものです。その速さは時速数十キロメートルから数百キロメートルで、その流れの先にいた場合、避けることは不可能だといわれています。

4.土石流
土石流は岩石や土砂、倒された樹木、火山灰などが水と一緒になって流れ下りるもので、時速数十キロメートルの速さで進み、かなり離れたところまで流れていくため危険です。雨や雪解け水などによって誘発されることも多いため、火山活動がおさまってきていても、大雨の際は発生の可能性が高くなります。

5.空振
噴火の衝撃が大気を伝って届くもので、窓ガラスが振動するなどの現象がみられます。さらに強い空振では、山頂に面した方向の窓ガラスを中心に、破損するなどの被害が発生することがあります。

火山噴火から身を守るために

それでは、今後あなたのエリアの近くで火山が噴火した場合、噴出物や土石流に対する避難行動が必要になりますが、事前にどのような準備をすればよいのでしょうか。

1.ヘルメット
ヘルメットは滑落や落石によるダメージを軽減し、噴石から頭部を守るために必要です。

2.濡れタオル
濡れタオルを口にあてることで、火山ガスや火山灰の侵入を抑えることが出来ます。

3.懐中電灯
噴煙で太陽の光が遮られ、外は真っ暗になります。懐中電灯やヘッドランプの準備が必要です。

4.リュックサック
噴石対策としてリュックサックが活躍します。いざという時は盾としても効果があります。

もし、登山中の噴火に遭遇したら?

また、火山に登山される場合は以下の点を注意してください。

◆活火山へ登山する際は、事前に「避難小屋」等の場所を確認して下さい。

◆登山中に噴火した場合は逃げることができれば風上側へ。周辺の避難小屋か、岩陰に逃げて下さい。

◆周辺に何もない場合は、出来るだけ身を低くし、頭を抱え、火山灰に巻き込まれる状態となったら、衣類などで鼻や口を覆い、火山灰を吸い込まないようにして下さい。

◆視界がよくなったら、谷地形は火山ガスが溜まりやすいため、谷に留まることは避け、近くの避難小屋など安全な場所へ避難して下さい。

気象庁や自治体から、各火山の避難警戒レベルに応じた警戒エリアが公表されています。火山の近くにいる場合は警戒が必要な範囲や、とるべき防災対応もまとめていますので、ハザードマップと合わせて事前に確認するようにしてください。