避難所ではエコノミークラス症候群に注意

地震や台風などの災害発生時は車内や避難所など安全な場所に避難することになりますが、避難所生活の際は、エコノミークラス症候群に注意が必要です。

避難所生活でもエコノミークラス症候群

福島県立医科大学講師の高瀬信弥さん(心臓血管外科)は、「エコノミークラス症候群」医療チームとして東日本大震災の避難所を巡回して予防指導・早期発見に努めました。脚にできる血栓(血の固まり)を検査するエコーで1000人を超える被災者をスクリーニングしたところ、約10%に血栓ができていた、つまりエコノミークラス症候群を発症する可能性があったといいます。

「車中泊がエコノミークラス症候群になりやすいのは確かですが、避難所暮らしでも発症するリスクがあります。避難所ではあまり歩かず、トイレに行く回数を減らすために水分を取らないといったことが原因です」(高瀬さん)

エコノミークラス症候群を予防する3原則

エコノミークラス症候群は、窮屈な飛行機のエコノミークラスに長時間座っていた人が発症することがあることから名付けられました。しかし、脚を長時間動かさないと、床に座っていても、車に乗っていても発症します。

脚を動かさないと脚の静脈に血栓ができて、その血栓が肺血管に流れて血管を詰まらせる「肺塞栓症」を引き起こすのがエコノミークラス症候群です。

先の高瀬さんは、エコノミークラス症候群を予防する3原則をあげます。

避難中に心身のストレスなどで命を落とす震災関連死は「第二の被災」とも言われます。「第二の被災」は対策を行えば免れることができるので、エコノミークラス症候群を予防する3原則で命を守ってください。